こんにちは、バンクーバー在住ブロガーのAyakaです。
今回はアートの街バンクーバーで堪能できるおすすめ美術館7選を、実際に見た展覧会の内容と共にご紹介していきます。
バンクーバー美術館
(Vancouver Art Gallery 通称VAG)
バンクーバーでの美術館巡りといえば、この美術館なしでは語れません。
1931年設立。その後1983年に、1979年まで裁判所として使用されていたこちらの重厚感のある石造りの建物に移転オープンしました。西カナダ最大規模の15,300平方メートルの面積です。
筆者のおすすめは、クリスマス時期です。美術館の真正面にこちらの大きなツリーが設置され、重厚感のあるバンクーバー美術館とのコンビネーションが非常に美しいです。
展覧会では、カナダを代表する有名なアーティストから世界的に評価されている海外アーティストまで幅広く展示されています。
また定期的に展覧会の内容が変わるため、何度訪れても新鮮味のある芸術を堪能することができます。さらに同じ展覧会を数回に分けて訪れたくなるほど、展示物の数が多いので筆者は年間パスを購入しました。
筆者が印象に残っているのは、現在開催中の「Fashion Fiction」です。(2023年10月9日に終了予定)世界的に有名なトップファッションデザイナーによる過去のコレクションが並びます。
様々な文化的伝統、SF、テクノロジー、自然界と持続可能性などをテーマに作られた彼らの美しいアートを目の当たりにし、強く感銘を受けました。
川久保玲さんや三宅一生さんなどの世界的に有名な日本人デザイナーの作品も多く並んでおり、同じ日本人として誇らしくなりました。
ビル・リード ギャラリー
(Bill Reid Gallery)
皆さんはビル・リード(1920〜1998年)というカナダ人の芸術家をご存知ですか?彼はカナダ北西海岸先住民ハイダ族の芸術家として最も有名なアーティストです。
こちらのギャラリーはビル・リード財団によって 2008 年に設立されました。北西海岸先住民のアートを専門とするカナダ唯一の公立ギャラリーです。
伝統的なハイダ族のビル・リードの作品はもちろん、北西海岸先住民の現代アーティスト達による多種多様の作品を堪能できるので、筆者の一押しです。
筆者が訪れた時は、運の良いことにたまたま観光客の団体が来ており、ギャラリーのスタッフさんによるアートの説明を団体に混ざって聞くことが出来ました。
印象的だった点は2つ。1つ目はビル・リードは欧米様式のジュエリー制作のスキルの修行を積み、金、銀細工の制作を行った唯一の北西海岸先住民ハイダ族の芸術家であることです。
2つ目は彼は幼少期、先住民の文化とはほとんど触れ合わずに育ち、アーティストではなく有名なアナウンサーであったことです。しかし23歳の時に彼の母親の故郷を訪れた際、祖父から初めてハイダ族の伝統的な彫刻技法を教えられたのがきっかけで大きな影響を受け、北西海岸先住民の文化の研究を始めたそうです。その後もアナウンサーの仕事を続けながら、自身のルーツであるハイダ族の芸術の研究と制作を深め続けます。
ポリゴンギャラリー
(The Polygon Gallery)
1981年に運営がスタートした「ポリゴンギャラリー」は、2017年にこちらの美しい建築に移転しました。カナダ西部最大の非営利写真ギャラリーとされています。
展示スペース、カフェとギフトショップで構成されています。
展覧会の内容は主にカナダのアーティストによる現代アートです。そのなかでも写真や写真を素材として使ったアートが重点的に展示されています。
筆者が訪れた時期はこちらの「スティーブン・シアラー」というカナダ人アーティストの展覧会が行われていました。
1968年ニューウェストミンスター生まれの彼は絵画や図面、写真のコラージュ、テキストを使用した作品で有名です。彼の作品は、主に思春期の反抗、10代の少年の不安定さなどをテーマに描かれています。彼の生い立ちと1970 年代初頭のポップスやヘヴィメタルを関連づけたスティーブン独自の表現方法を感じることができました。
ダグラス・レイノルズ ギャラリー
(Douglas Reynolds Gallery)
1995年に設立。ディレクター兼オーナーのダグラス・レイノルズは、北西海岸のネイティブアートを扱う20年以上の経験があり、価値のある芸術を見定める力で右に出るものはいません。このギャラリーは、北西海岸のネイティブアートを専門としています。
大きな特徴としては歴史ある有名なアーティストから現代的な若き才能溢れるアーティストまで北西海岸先住民のアートを幅広く取り扱っていることです。
具体的にはマスク、トーテム ポール、曲げ木の箱、彫刻、金銀の宝飾品、初期の歴史的なアートです。先ほどご紹介したビル・リードの作品はもちろん、彼と同じくらい有名なカナダが誇るアーティストであるロバート デビッドソンなどの有名なアーティストの作品を見ることが出来ます。
さらにこのギャラリーで展示している作品は全て販売も行っているので、バンクーバーに住むミリオネアやリッチな観光客が自宅用やギフトに購入することもあります。
実はこちらのギャラリーは、筆者の元職場の近所でした。そのためたまに北西海岸先住民アーティストがトーテムポールを作っている様子を見ることができ、よく仕事後に遊びに行っていました。
UBC人類学博物館
(Museum of Anthropology 通称MOA)
1927年に設立。こちらのビル・リードの有名な作品がMOAのシンボルとなっています。
ここには歴史的価値のある北西沿岸の先住民族の作品と世界の芸術と文化が展示されています。その数はなんと50,000点近くの民族学的資料と53,000点の考古学的資料が収蔵されているとか。
地元の人々から観光客まで、カナダの歴史的芸術を堪能するには絶対に外せない美術館です。さらに研究と教育の博物館でもあります。そのためUBC の芸術、人類学、考古学、保存、博物館研究のコースが提供されています。
筆者は、数えきれないほどの展示物の量と一点一点に歴史と背景があるため1日では見切れず、その後もう一度行きました。それでも全てを深くみようとすると時間が足りないほどです。
ちなみに2020年に発生した大地震がきっかけで、2023年の1年間は貴重な数々の歴史的芸術品を守るために耐震改修に向けての大規模な工事を行っており、只今閉鎖中です。2024年に再びオープンします。筆者が行った頃との違いを見るのがとても楽しみです。
コンテンポラリーアートギャラリー
(Contemporary Art Gallery 通称CAG)
1971年に設立されたこちらのアートギャラリーは非営利の公立アートギャラリーであり、カナダ有数の現代アートギャラリーの1つです。
CAG では、モダンアートを制作する地元の前衛的なアーティストを中心に、国内、国際的なアーティストの現代アートを展示しています。
このアートギャラリーの始まりは、バンクーバー市の社会計画局から派生したものでした。当初はバンクーバーのアーティストが 6 か月間雇用され、展示用のアートを制作していたそうです。その後1996 年、アーティストたちによる運営から独立した公立アートギャラリーに変わったという背景があります。
筆者が訪れた時は「アレックス・モリソン」というアーティストの展覧会が行われていました。
彼は英国出身ですが、現在はカナダのバンクーバーに在住しています。サブカルチャー、活動主義、反乱、国内建築の歴史、そして前衛的な美学が彼の作品の一貫したテーマとなっています。
グレーターバンクーバーの中国文化センター
(Chinese Cultural Centre of Greater Vancouver)
こちらの中国文化センターは、チャイナタウンにある中国人コミュニティセンターかつ博物館です。1973年に設立されたのち、1980 年に一般公開されました。
この文化センターの存在意義は「中国人コミュニティとカナダの他の文化グループの間の理解と友好を促進、深めること」です。
館内は1階と2階で展示内容が分かれています。
1階では過去の数世紀のなかで中国系カナディアンが所有していた多くの写真や日常品が展示されています。主に1800年代から1900年代の中国移民の生活様式について知ることができます。
2階の展示内容は、中国系カナディアンの軍事史をテーマにしています。文書、写真、証明書、軍事関連の品々が展示されています。中国系カナダ人がカナダ軍内で地位を向上させた方法と努力ついて学ぶことができます。
バンクーバーのチャイナタウンはダウンタウンとは全く違った街並みで、どこか野生的でエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。このエリアは筆者のお気に入りです。
中国系カナディアンの歴史を踏まえた上でチャイナタウンを散策することで、さらにこのエリアの深みと興味深さを感じることができます。
まとめ
以上がバンクーバー在住ブロガーである筆者のおすすめ「バンクーバーの美術館7選」です。
北西海岸先住民の歴史的なアートから、地元のアーティストによる現代アート、多国籍文化が密集する街だからこその多国籍な文化や芸術まで、幅広いジャンルの芸術を堪能できるのはバンクーバーの大きな魅力です。
観光や留学やワーキングホリデーへの行き先をお悩み中の方は是非バンクーバーを候補に考えてみてはいかがでしょうか?
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