今年でマレーシア在住歴12年になる筆者がお伝えする最新のマレーシア情報です!
マレーシアを紹介する本やTV番組などで、「マレーシアの物価は日本の3分の1です」とよく言われていますが、果たして本当なのでしょうか?
たしかに、「え、そんなに安いの!さすがマレーシア!」と感じることもありますし、「へえ、意外と高い!日本と大して変わらないじゃん…」と思うこともしばしばです。
つまり、日本と比べると一概にマレーシアの物価が安い、というわけではないのが実情です。
また、コロナ禍以降・ウクライナ戦争以降は、徐々に、しかもマレーシアのあらゆるものの物価が上昇しているのは、日本と同様です。
そこで今回は、日本と比べてマレーシアで買うと安いもの、逆に高いもの、そしてシンガポールと比べて安いものなどの物価比較をご紹介します。
日本と比べて価格が安いもの・比較
調味料
マレーシア料理の特徴と言えば、唐辛子やレモングラス、タマリンドなどのさまざまなハーブやスパイス、そしてココナッツミルクをたっぷりと使うことです。
そのため、スパイシーさの中にも、ココナッツミルクのほのかなマイルドさが感じられ、非常に味わい深い料理です。
マレー系、中華系、インド系などの異なる民族の料理が、比較的安価に、美味しく食べられるので、マレーシア旅行の一番の楽しみでもありますよね。
スーパーや乾物屋などに行くと、さまざまなスパイスが、棚などにずらーっと並んでいて、その色どりや、何とも言えない香りが食欲を刺激します。
これらのスパイスは、グラム単位での量り売りがされていて、しかも、日本と比べるとかなり安いので、いろいろと買って試してみるのもいいですよね!
しっかりと袋に包装されたスパイスもあるので、こちらも使い勝手がいいですよ。
調味料 | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
ブラックペッパー100g | 約5リンギット(約160円) | 約300円 |
ホワイトペッパー100g | 約7リンギット(約220円) | 約380円 |
カレーパウダー100g | 約4リンギット(約125円) | 約400円 |
包装形態や、お店によっても違いはありますが、日本と比べると、さすがに安いですね。
しかし、日本の調味料を購入する場合には、日本よりも高くなります。
調味料 | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
しょうゆ 1L | 約30リンギット(約950円) | 約500円 |
味噌 650g | 約20リンギット(約633円) | 約450円 |
花かつお 45g | 約9リンギット(約285円) | 約200円 |
日本の調味料の多くは、日本からの輸入となるため、どうしても割高ですね。
しかし、最近では「ドン・キホーテ」や「業務スーパー」などが進出しており、より安く手に入るようになっています。
スーパーの食品(肉や野菜)
スーパーで野菜や肉類、魚を買うときには、価格はどうなんでしょう?
野菜は比較的安いです。特に、マレーシア料理でよく使われるにんにくやじゃがいも、玉ねぎなどは、日本と比べてもかなり安く買えます。
ローカルのスーパーでは、日系のスーパーと比べても、かなり安く手に入り、路上の朝市などで買っても、新鮮な野菜が低価格で買えます。
肉類も比較的安く購入できます。鶏肉は、コロナ禍で価格が上昇傾向にあったため、政府が価格に規制を設けていました。現在では規制は撤廃されましたが、それほどの価格アップはありません。
マレーシアはイスラム教国なため、豚肉はスーパーなどでは、他の商品とは区画を区切って「ノンハラル(イスラム教とは飲食できない)」のコーナーで売られます。
コロナ禍以降、すでに6回ほど値上げされており、以前と比べるとかなり高価になっています。
魚は、種類によってかなり価格に差がありますが、サーモンなど、外国から輸入されるものは結構高価です。
たまごは、政府の価格支援があり急激な価格アップはありませんが、徐々に上がっています。
食材 | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
じゃがいも 1kg | 約4リンギット(約127円) | 約400円 |
玉ねぎ 1kg | 約7リンギット(約220円) | 約450円 |
鶏むね肉 1kg | 約20リンギット(約635円) | 約900円 |
豚肉 1kg | 約50リンギット(約1,580円) | 約2600円 |
サーモン 1kg | 約100リンギット(約3,170円) | 約5,000円 |
たまご 1個 | 約50セント(約16円) | 約20円 |
以上は、ローカルスーパーの価格ですので、イオンなどの日系スーパーの場合には、もう少し高いです。
スーパーの食品(フルーツ)
日本は果物が豊富で、美味しいものがそろった国です。
四季折々で、本当にさまざまな果物が楽しめます。
マレーシアも、雨が豊富で暑いため、美味しいフルーツがたくさんとれます。
中でも、デザートやケーキなどに利用されて人気があるのが「マンゴー」です。
日本のスーパーでも、最近では見かけるようになりましたよね。
マンゴーには、フルーツとしてそのまま食べる黄色いマンゴーと、料理などに使われる緑のマンゴーとがあります。
マレーシアでのシーズンは、5月頃と10月頃の年2回で、スーパーや果物屋で多く見かけ、近くによると、甘い香りが漂い、買わずにはいられません!
フルーツ | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
マンゴー 1kg | 約15リンギット(約470円) | 約1400円 |
日本と比べると果物も安い傾向があります。
最近では、宮崎産などの国産のおいしいマンゴーも出回っていて、御使い物に人気ですよね。
マクドナルド・ビッグマック指数
各国間の物価を比較するのに便利なのが、有名な「ビッグマック指数」です。
もちろん、平均の賃金や人件費なども加味しなければいけないので、単純に物価の比較はできませんが、ある程度の目安にはなります。
ここでは、マクドナルドの単品とセットの価格を比較してみましょう。
メニュー | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
ビッグマック | 13.4リンギット(約425円) | 約450円 |
ビッグマックセット | 20.9リンギット(約663円) | 約750円 |
現在、ビッグマックの価格では、マレーシアも日本も他の国々と比べると比較的安く、特にマレーシアは、世界の国々でも最も安い価格でランキングされています。
ガソリン価格
マレーシアは、公共交通機関があまり発達していなくて、接続も悪いため、車を利用する機会が多いです。というか、車がないと、ほぼ生活が成り立ちません。
そこで、旅行で来られてレンタカーを利用する場合や、長期滞在で車を購入するときに気になるのが、ガソリン価格です。
マレーシアは産油国で、しかも政府が補助金と規制で調整しているということもあり、ガソリンの価格は日本に比べるとかなり安いです。 なお、この価格は毎週変動します。
ガソリン | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
レギュラー(RON95)1リッター | 1.71リンギット(約54円) | 約170円 |
マレーシアで、ハイブリッド車や電気自動車があまり人気がない理由は、このガソリンの安さにあるのでしょう。
2023年11月末現在で、マレーシアの1リッター当たりのガソリン価格は、世界で9番目に安い価格です。
タクシー代
電車などの交通機関が少ないため、マレーシアでの移動は、タクシーが主になります。しかし、日本と比べて、かなり安い値段で移動が可能です。
最近では、タクシーの代わりに、配車アプリの「Grab」を使うことが多くなっていますが、こちらも、安いです!
タクシー料金 | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
初乗り運賃 | 3リンギット(約94円) | 約600円 |
1㎞ごとの運賃 | 1.25リンギット(約39円) | 約350円 |
Grabを利用する際に気をつけなければならないのは、込み合っているピーク時の場合には、ドライバーが捕まることが少なく、料金も通常の倍以上に跳ね上がってしまうことです。
料金を抑えたい場合には、時間帯に気をつけたり、乗合を利用したりしましょう。
水道光熱費
マレーシアでの長期滞在を考えている方にとって、現地での生活費は気になるところですよね。
水道光熱費については、マレーシアでは、政府による補助金があるので、非常に安いです。
私の家で例をあげれば、家族2人で、1ヶ月の水道光熱費は以下の通りです。
水道光熱費 | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
水道代 | 約10リンギット(約317円) | 約5,400円 |
電気代 | 約100リンギット(約3,170円) | 約10,500円 |
ガス代 | 約15リンギット(約475円) | 約4,300円 |
水道代は、首都クアラルンプールの私のエリアでも、日本と比べると非常に安いですが、エリアによっては、ほとんど水道代がかからないところもあります。
マレーシアが、引退後に住みたい場所で、14年間も連続して1位になっている最大の理由が、この生活費の圧倒的な安さにあります。
通信費
旅行の際の通信費としては、現地で買うSIMカードの購入費用になると思います。
マレーシア到着の際には、空港の通信会社のカウンターに行って、購入します。
この際には、パスポートが必要です。
おすすめは、マレーシアの通信大手「マキシス(Maxis)」のSIMカード「hotlink」です。
日本と比べるとSIMカードの費用は安いです。
SIMカード | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
7日間・7GBのプラン | 23リンギット (約725円) | 約2,000円 (7日間・2GB) |
長期滞在の場合の通信費としては、主に自宅のWi-Fiの費用と、月々の携帯料金です。
さまざまな会社やプランがありますが、現在私が使っているのは以下になります。
通信費(1カ月) | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
自宅のWi-Fi費用 | 95リンギット (約3,000円) | 約4,000円 |
携帯料金 | 100リンギット (約3,170円) | 約6,000円 |
通信費の場合には、日本とはそれほど大差はありません。
日本と比べて価格が高いもの
お酒・アルコール類
マレーシアはイスラム教の国なので、豚肉のほかにもアルコールは禁止されています。しかし、スーパーやコンビニで購入できます。
スーパーでは、豚肉同様に別コーナーにあり、会計も別になっています。
お酒を飲まない人が多いので、酒税は若干高めに設定されている(世界で2番目に高いそうです)ので、価格も高めです。
アルコール飲料 | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
アサヒスーパードライ320ml | 10リンギット(約317円) | 約200円 |
タイガービール500ml | 15リンギット(約475円) | 約450円 |
マレーシアやシンガポールの定番で人気のある「タイガービール」も、結構高いですね!
ラーメン
ラーメンは、マレーシアでも大人気の日本料理です。
地元の人に「好きな日本食は?」と聞くと、おそらく2~3人に1人は「ラーメン!」と答えます。
紹介したように、マレーシアはイスラム教国なので、豚骨ラーメンは基本的にはありません(中華系の人をメインターゲットに提供する店もあります)。
日本の有名店も数多く進出しており、ローカルの間でも大人気です。
ここでは、日本でもおなじみの「一風堂」さんのラーメンの価格を、日本と比較してみましょう。
ラーメン | マレーシアの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|
白丸 | 37リンギット(約1,165円) | 850円 |
赤丸 | 39リンギット(約1,225円) | 950円 |
やはり、材料を取りそろえるのに費用がかかるため、日本と比べて値段は高めです。
また、日本料理は一般に、日本よりも価格が高めです。
マレーシアよりシンガポールは常に物価が高い
隣国シンガポールの物価は、マレーシアとは全く違います。
シンガポールの物価は、全体的に日本やマレーシアの物価よりも高く、「世界生計費都市別ランキング」の2023年度版で、2位にランクインしています。
多くのシンガポール人は、週末になると、ジョホールバルを中心に、マレーシアに旅行に来たり、美味しいものを楽しんだりします。
シンガポールドルは、アメリカドルと非常に高い相関性があるため、常に価格は高く、2023年12月時点で1シンガポールドルは約3.5リンギットとなっています。
つまり、シンガポール人にとっては、マレーシアリンギットに対しては「常にシンガポール高」となるため、旅行や行楽を楽しむのに最適な場所なのです。
シンガポールと比べて安い物・比較
洋服店(ユニクロなど)
ユニクロは、進出後10年ちょっとたちますが、マレーシアでもあっという間に店舗展開して、現在50店舗近くあります。
すっかり、マレーシアのローカルの人にとって、なくてはならない店となっています。
品そろえも、冬服の数はもちろん少ないですが、それ以外は、ほとんど日本の店と変わらないと言っても、過言ではありません。
価格を比較してみましょう。
ユニクロの商品 | マレーシアの価格 | シンガポールの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|---|
AIRismのVネックのTシャツ (男性用) | 49.9リンギット (約1,570円) | 14.9シンガポールドル (約1,640円) | 990円 |
ストレッチスリムストレートジーンズ (女性用) | 149.9リンギット (約4,716円) | 59.9シンガポールドル (約6,595円) | 3,990円 |
マレーシアは日本と比べると若干高めですが、シンガポールよりは安く購入できます。
私の義姉家族も、シンガポールからマレーシアのジョホールバルへ車で来て、ユニクロで服を買い、イオンで買い物をして、レストランで夕食を楽しんで、ガソリンを満タンにして帰ります。
多くのシンガポール人も、賢く通貨と物価の差を活用しています。
ファーストフード店(マクドナルド)
上でも紹介致しましたが、シンガポールと比べた場合、マクドナルドの価格はどうなのでしょうか?
マクドナルドの単品とセットの価格を比較してみましょう。
メニュー | マレーシアの価格 | シンガポールの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|---|
ビッグマック | 13.4リンギット (約425円) | 6.90シンガポールドル (約760円) | 約450円 |
ビッグマックセット | 20.9リンギット (約663円) | 9.05シンガポールドル (約996円) | 約750円 |
見ていただくと分かりますが、シンガポールは、飛びぬけてマクドナルドの価格も高いですよね…
ジョホールバルの高速の最初の休憩所にマクドナルドがありますが、いつでもシンガポールナンバーの車でいっぱいです。
これだけ価格が違って、貨幣価値も違えば、それは利用しますよね!
カフェ(スターバックス)
スターバックスなどのカフェでも、マレーシアとシンガポールでは、価格の差が見られるのでしょうか?
スターバックスの「トールサイズのスターバックスのラテ」も、「ビッグマック」同様に、国の物価を比較するための、代表的な指標となっています。
価格を確認してみましょう。
メニュー | マレーシアの価格 | シンガポールの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|---|
ラテ | 15.9リンギット (約500円) | 7.10シンガポールドル (約782円) | 490円 |
シンガポールのスターバックスは、世界でも8番目に高い販売価格です。
マレーシアは、日本とほぼ同じ価格で販売していますので、シンガポールの物価の高さと、日本の意外な物価の安さがよくわかりますよね。
ガソリン価格
紹介したように、産油国であるマレーシアは、ガソリンの価格も安く抑えられています。
マレーシアのガソリン価格は、毎週水曜日の午後5時に、政府がRON95(レギュラー)、RON97(ハイオク)、そしてディーゼルの燃料価格を改訂し、発表する仕組みです。
日本で「レギュラーガソリン」は、通常オクタン価が90RONなので、マレーシアのレギュラーガソリンは、日本で言う「ハイオク」に近い、品質が高いガソリンなのです。
ではガソリン価格を比較してみましょう。
ガソリン | マレーシアの価格 | シンガポールの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|---|
レギュラー(RON95) 1リッター | 1.71リンギット (約54円) | 2.84シンガポールドル (約313円) | 約170円 |
マレーシアとシンガポールの価格差を見ると、なぜ、シンガポールの方が、休日にこぞってマレーシアに来るのか、その理由がわかるかと思います。
ただし、国境の検問所でシンガポールナンバーの車は、係官にガソリンの残量ゲージが3分の2以上あるかどうかをチェックされるのです!
マレーシア側からすると、政府が補助金を投入してガソリンの価格を調整しているので、シンガポールからガソリンを入れに来る人が、国税を使って行っている補助金の恩恵を受けるのはおかしい、という理由からです。
また、違法にゲージを改良する人が多いためか、国境から50キロ以内の地域で、ガソリンスタンドが外国ナンバーの車にガソリンを給油することが禁止されました。
タクシー料金
シンガポールは、MRTやバスなどの、公共交通機関が充実していて、ほぼどこへでも行け、安全でもあるので、旅行者でも気軽に利用できます。
シンガポールのタクシーは種類が豊富で、マレーシア同様に、配車アプリの「Grab」のタクシーもよく利用されています。
基本的なサービスは各社ほぼ同じで、料金体系も同じです。
メーター制でわかりやすく、ぼったくりの心配もありません。
では、料金を比較してみましょう。
タクシー料金 | マレーシアの価格 | シンガポールの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|---|
初乗り運賃 | 3リンギット (約94円) | 約4シンガポールドル (約440円) | 約600円 |
1㎞ごとの運賃 | 1.25リンギット (約39円) | 約0.8シンガポールドル (約88円) | 約350円 |
シンガポールの場合、国策で公共交通機関の料金が、非常に安く抑えられているので、便利です。
ラーメン(一風堂)
最後に、1週間ほど海外旅行が続いた時、どうしても食べたくなる日本の味「ラーメン」の価格を比較しておきましょう。
マレーシアでも人気の「一風堂」ですが、シンガポールではすでに14店舗展開していて、人気のラーメン店で、いつも多くのローカルの人々でにぎわっています。
価格はどうなのでしょうか?
メニュー | マレーシアの価格 | シンガポールの価格 | 日本の価格 |
---|---|---|---|
白丸 | 37リンギット (約1,165円) | 23シンガポールドル (約2,530円) | 850円 |
赤丸 | 39リンギット (約1,225円) | 24シンガポールドル (約2,642円) | 950円 |
どのラーメンもほぼ2,000円以上で、さすがに、シンガポールの物価高には、目を見張ります!
気軽に食べられる金額ではありませんよね。
私の姪っ子も、ラーメンは「ハレの日用だ」と言っていますが、納得ですね。
マレーシアの各種物価・生活費・旅行費用について下記ページで詳しくご紹介しています。
生活の家賃やホテル宿泊費、レストランの食事料金、生活雑貨までご確認ください。