KLIAで見たコロナ対策とは?ついにマレーシアが本気になった?
マレーシアのクアラルンプール国際空港(KLIA)は、国の玄関口であり、マレーシア中に数ある国際空港の中でも一番大きい空港です。
KLIAはコロナウイルスの拡大に伴い、コロナ対策を実践しています。私は今回4月上旬にKLIAを利用する機会がありましたので、その時の様子をレポートします。
■目次 1. KLIAが行っているコロナ対策 2. 実際にKLIAに行ったときに感じたこと 3. 職員もコロナ対策を意識している? 4. マレーシアが本気になると凄い?
KLIAが行っているコロナ対策
体温検査
KLIAが行っている対策の一つは、全員に対する体温検査です。
徹底した体温検査はコロナ対策の中でも当たり前と言えば当たり前ですが…、その「徹底している」というのがマレーシアでは凄いことなんです。
実はマレーシアの体温計はエラーが出ることが多く、32度と反応しても「OK」と何事もなかったかのように通されることがあります。
「イヤイヤOKじゃなくてもう一度測り直してよ〜」と体温計だけでなく、係の人に対しても突っ込みたくなるほどです。
でも流石に、KLIAでは温度感知スキャナーを利用し、徹底した体温検査が行われていました。
しかも、そのスキャナーは、乗客対してのみではなく、スキャナーを通過する職員に対しても使われます。
できるだけ多くの人の体温を瞬時に知ることで、感染を抑えようとする意志が伝わってきます。
入国者の制限
マレーシアは早い段階(MCOという対策が出された3月18日の時点)でマレーシア国籍以外の人の入国を禁止しました。
ビザを持っているなど特別な事情がある人を除き、一般観光客の入国はどの国籍であっても拒否しています。
今の時点では、マレーシアに住む外国人がマレーシアを出国する際、自国の大使館で手続きをした後、手続き書類をマレーシアの警察署に持って行き、警察の許可書をとる必要があります。
椅子にテープが!
空港にある全ての椅子には一個間隔で×のシールが貼られていて、×の椅子には座れません。これは、人が間隔を開けて座り、濃厚接触による感染を防ぐ目的があります。
そのため、家族であっても椅子の隣同士で座ることができず、椅子を一つ空けて座らなければいけません。
お店が閉まっている
KLIA内のお店はほとんど閉まっています。
雑貨店、フードコートはもちろんですが、テイクアウトができるファーストフード店、コンビニなどの最低限のお店も時間指定があり、短時間だけ開いている状態です。
空港で待っている間の食べ物は空港に到着する前に事前に準備する必要があります。
制限エリア内のお店も同じで、ほとんどのお店が閉店しています。
いつもは活気があり明るいエリアがひっそりと鎮まり、商品すら全て取り除かれて空になっているので、寂しく感じました。
一定距離を空けるサインが床のあちこちに…
空港内で人が並びそうな場所…例えば、イミグレーションや、荷物預かりカウンターなどは全て、足元にシールが貼られていて、一定距離を保つように指示されています。
移動中のバスの中でさえ、間隔を開けるサインがありました。
実際に私はシールに気づかずに、夫のすぐ後ろに詰めてしまったことがありました。すると、すかさず「間隔を開けるように」と注意されました。
夫婦なので、そこまで厳しくないだろうと思っていましたが、夫婦であろうと、他人であろうと、このルールは徹底しているようです。
実際にKLIAに行ったときに感じたこと
私が空港を使ったのは4月上旬でしたが、そのときに感じた第一印象は……「静か、人がいない」ということです。
いつもは明るく、人で賑わっているKLIAですが、コロナ対策がされるようになってからというもの、ガランとしたイメージです。
お店のシャッターが閉まっているだけでなく、なぜか廊下の照明も最低限なので、文字通り暗いのです。
コロナ対策だとは分かってはいても、倒産した空港を歩いている気分でした。
店が閉店しているので、商品棚も全て空でした(盗難防止?)。
いつもはいろいろな商品が所狭しと並び、賑わっている免税店の棚にビニールテープまで貼られていたのにはびっくりしました。
ただ、ここまで人が少ないと、空港で感染する可能性が低くなるので、安心感があります。
職員もコロナ対策を意識している?
KLIAに勤務する職員も、乗客だけでなく職員同士も間隔を開けたりと、気を使っているように感じました。
いつもなら、職員同士楽しそうに話しているマレーシアらしい光景を目撃するのですが…。
掃除係の人はそれほどピリピリしている印象を受けませんでしたが、手袋、マスクは徹底していました。
マレーシアが本気になると凄い?
いつもはのんびりしているマレーシア。「never mind(まあ、気にするな〜)」が口癖です。
ほとんど全てのことに対して「never mind」で終わらせてしまうので、日本だと当たり前にスムーズにいくような日常生活でさえ、なかなか思い通りにいかないことがあります。
そんなマレーシア人たちがはコロナウイルスの拡大に伴って、「なんとかしなければ!」という思いと「恐怖感」が募ってきたようです。
今までの「never mind」がそうでなくなり、「must do(するしかない)」になったとき、マレーシア人は徹底的に行動するようです。
今まで、「どんなことが起こってもいつも呑気で笑っている国民」だと思っていましたが、笑顔はそのままでも、「やる気になった時は実はすごい!」ということが分かりました。
今まで知らなかったマレーシアの一面を見ることになりました。
KLIAでも徹底しているコロナ対策。マレーシアの玄関口であるKLIAで感染を食い止め、拡大を少しでも抑えられるように心から願います。
また、彼らのコロナ対策に心から協力したいと思います。