イタリアと言ったらエスプレッソ、アメリカと言ったらアメリカーノ(もしくはスターバックス)…。と言うように、コーヒーは国によって飲み方が違い、それぞれの国にコーヒー文化があります。
ベトナムも実は独自のコーヒー文化があることをご存知でしたか?
ベトナムがフランスの植民地時代にコーヒー文化が伝わってきたのだそうです。それから自分たちなりにコーヒー文化を築き、今に至ります。
そのため(?)か、ベトナムにはたくさんのカフェショップがあり、スーパーに行くとたくさんの種類のコーヒー豆が売られています。
私はコーヒー好きなので、ベトナムでベトナムコーヒーを飲むのを毎回楽しみにしています。あの香ばしい香りや、甘さがなんとも絶妙でクセになってしまうのです。
今回はベトナムのホーチミンで体験したベトナムのコーヒー文化について紹介します!
■目次 1. ベトナムコーヒーの特徴 2. ベトナムコーヒーの淹れ方/飲み方 3. ベトナムコーヒーの種類・豆について - ジャコウネコ コーヒー(コピ・ルアク) - アラビカ種 - CON SOC COFFEE(リスの糞コーヒー) - エッグ・コーヒー 4. ベトナムコーヒーのお土産 - G7のインスタントコーヒー - コーヒードリッパー/フィルター - ベトナムコーヒーをモチーフにした雑貨
ベトナムコーヒーの特徴
ベトナムコーヒーの特徴は、独特のフィルターで入れるドリップスタイルです。
金属フィルターのドリッパーをカップに置き、コーヒーの粉を入れ、お湯を注ぎ、コーヒーがドリップされるのをゆっくりと待ちます。
その様子は独特でとても可愛いので、ベトナムのお土産店に行くと、ベトナムコーヒーのイラストが描かれたマグネットやポストカードが売られているほどです。
ドリップしたコーヒーは、一緒についてきた氷入りのグラス(グラスの底に練乳が入れてある)に移し替え、練乳を混ぜながら飲みます。
独特の甘さと香ばしさが口の中に広がります!
■ベトナムはコーヒー豆生産量世界第2位だった!
ベトナムのコーヒー生産量はとても多く、ブラジルに次いで第2位です。
え?!と思われた方も多いかもしれません。「コロンビアとか、インドネシアとか…コーヒー豆の生産が盛んな国はイメージできるけど、ベトナムの生産量は世界第2位なの?」と実際に言っていた人もいます。
実はベトナムで生産している豆の種類に答えがあります。
世界のほとんどの国が主に栽培している豆が「アラビカ種」なのに対し、ベトナムで生産されているコーヒー豆のほとんどは「ロブスタ種」です。
ロブスタ種を利用してインスタントコーヒーなどが作られています(ちなみに私たちの多くは、アラビカ種のコーヒーをドリップして飲みます)。
それで、ベトナムコーヒーは世界に出回っているのですが、インスタントコーヒーとして売り出されているので、イメージが薄くなってしまうのです。
■ベトナムコーヒーが生み出されるまで…
話を戻して…ロブスタ種のコーヒーはとても安く手に入るのですが、酸味が少なく、きつめの匂いが特徴です。
要するに、ドリップして飲むには向かないということです。それをなんとか美味しく飲むことはできないかと工夫を重ねた結果作られたのが、ベトナムコーヒーなのです。
コーヒー豆をしっかりと焙煎し、深煎りロースト状態にします。
その豆をドリップし練乳と一緒に飲むことで、苦くて、独特の味を軽減することができます。むしろ深く焙煎したコーヒーの味が香ばしく、練乳との相性が抜群です。
反対に、練乳なしのブラックで飲んだ場合、とても苦いのです。やっぱり練乳か、せめて砂糖を入れて飲むことをおすすめします。
ベトナムコーヒーの淹れ方/飲み方
ベトナムのカフェでベトナムコーヒーを注文すると、ドリッパーに入れてコーヒーが出される場合と、すぐに飲める状態になってコーヒーが出される場合があります。
ドリッパーと一緒にコーヒーが出される場合、コーヒーが抽出されるまでに時間がかかるので、友達と話したり、作業をしたりしながらコーヒーの抽出を待ちます。
■自分でベトナムコーヒーを淹れてみよう!
ベトナムコーヒーの魅力に気づいてしまったら、日本に帰国した後もコーヒーを飲みたくなります。
そんな時は自分でベトナムコーヒーを淹れてみるのはいかがですか?淹れ方もとっても簡単!
<ベトナムコーヒーの淹れ方・飲み方> (必要なもの) ベトナムコーヒーフィルター、ベトナム産コーヒー豆(ない場合は深煎りコーヒー豆を細かく挽く)、練乳、氷 (ホットで飲む場合) ①お気に入りのコーヒーカップを選び、コーヒーフィルターを載せる ②コーヒー豆を入れ、お湯を注ぐ ③フィルターの蓋をして抽出されるのを待つ(かなり時間がかかるので辛抱強く待ちましょう) ④練乳や砂糖を入れて飲む *甘いものはどうしても入れたくない人は入れなくても構いませんが、そのまま飲むとかなり濃く苦いです。しかも香りもあまり感じません。 *練乳をあらかじめカップに入れ、コーヒーの抽出をするのもOKです。 (アイスで飲む場合) ①グラスに氷(できれば練乳もこの時一緒に入れよう)をグラスいっぱい入れる。別のグラスにコーヒーフィルターを載せる ②コーヒー豆を入れ、お湯を注ぐ ③フィルターの蓋をして抽出されるのを待つ(かなり時間がかかるので辛抱強く待ちましょう) ④抽出されたコーヒーを先ほど用意した、氷をいっぱい入れたグラスに注ぐ ⑤氷を溶かしながら少しずつ飲む
■ベトナムコーヒーの抽出にかかる時間
ドリップ式のコーヒーの抽出にかかる目安時間は3分以内だと言われているのに対し、ベトナムコーヒーの抽出にかかる時間は5〜10分だと言われています。
場合によってはもっとかかることも…。気長に抽出を待つ必要があります。
また、蓋の締め具合によってコーヒーの抽出時間や、濃さが変わってきます。色々調節しながら自分にとってベストな味を探してみるのも楽しみの1つです。
ホーチミンでは、カフェショップにパソコンを持って行き、仕事をしながらコーヒーを飲んでいる人を目撃します。抽出時間を使って待ちながら仕事をしているのです。
このようにゆったりとコーヒーを淹れながら仕事をするのもいいかもしれませんね。
可愛いフィルターをお気に入りのカップの上においたら、一気にベトナム気分です。
リラックス時間のお友にするのもいいですし、仕事の友にするのもおすすめ!難しくないので、試してみるのはいかがですか?
ベトナムコーヒーの種類・豆について
ベトナムで生産されているコーヒー豆のほとんどはロブスタ種だとお伝えしましたが、アラビカ種をはじめとする、良質なコーヒー豆も生産されています。
そんなベトナム産の豆をドリップ式やエスプレッソ式などで淹れると美味しいコーヒーが飲めます。
しかも他の国に比べて比較的リーズナブルな値段で購入できるコーヒー豆もあるんです!ベトナムはコーヒー好きにとって穴場的存在でおすすめです。
■ジャコウネコ コーヒー(コピ・ルアク)
ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)は、ジャコウネコという動物にコーヒーの実を食べさせ、糞をきれいに洗って乾燥させたものです。
「動物の糞のコーヒー?!」ってびっくりする人も多いと思います。
ジャコウネコはとてもグルメな動物で、上質で美味しいコーヒーの実だけを選んで食べます。ジャコウネコが食べたコーヒーの実を消化している間、消化液と混ざりあい、コーヒー豆も発酵します。
その過程でより深い味わいの美味しい豆になるのだそうです。ジャコウネコの消化液は独特の良い香りがするので香りの良いコーヒー豆が出来上がります。
そんなジャコウネココーヒー、実はとても高価で世界で一番美味しく高いコーヒーとして世界中で大人気です。世界で有名な生産地はインドネシアですが、ベトナムでも生産されています。
値段の相場は100g、2500円〜です。異様に安いのは偽物だと疑った方が良いでしょう。
ジャコウネココーヒーは空港などで売られていますが、ホーチミン市内で買う場合、「Legendee」というコーヒーチェーン店で、ジャコウネココーヒー豆を80%使用したブレンドコーヒー豆を購入できます。
■アラビカ種
ベトナムでもアラビカ種のコーヒー豆は栽培されています。いろいろなカフェショップに行くと「アラビカ」と書かれているのですぐにわかります。
ベトナム産アラビカ種のコーヒー豆は、香りのバランスが良く、癖がないので幅広く愛されやすいコーヒーです。コーヒー好きの人にお土産にすると喜ばれます。
ベトナムでよく見かけるコーヒーチェーン店に行くとコーヒー豆が売られていますが、そこに堂々と「アラビカ(arabica)」と表記されているのでわかりやすいです。
ブランドにこだわらず、いろいろなブランドのアラビカを買ってみて試してみましょう!
■CON SOC COFFEE(リスの糞コーヒー)
「CON SOC COFFEE」は、リスの絵が描かれたコーヒー豆ですが、これはリスがコーヒーの実を食べてできた、リスの糞コーヒーです。
ジャコウネコがリスに変わったというところでしょうか?私は個人的にCON SOC COFFEEがお気に入りで、ベトナムに行ったら必ず購入しています。
ジャコウネココーヒーに比べ知名度が低いので、比較的安く購入できますし、味もまろやかで甘く、香りがよいからです。可愛いリスのパッケージもお気に入りです。
ジャコウネココーヒーは世界でも有名ですが、リスコーヒーはあまり聞かないので、ベトナムらしくて良いなとうのも理由の1つになっています。話のネタにもなります。
空港でも購入可能ですが、スーパーで売っているのを見かけることがあります。ホーチミンのBIG-Cで500gが600円ほどで売っていました。
■エッグ・コーヒー
エッグ・コーヒーは本来のベトナムコーヒー(ロブスタ種を使って淹れたコーヒに砂糖、練乳を加えたもの)に卵黄を混ぜたものです。
ハノイが発祥だと言われていますが、ホーチミンでも飲めるようになりました。挑戦してみるのも面白いですよ!
ベトナムコーヒーのお土産
ベトナムコーヒーの味を日本のみんなにも味わって欲しい!と思う時におすすめなのがインスタントコーヒーです。
簡単に飲めますし、バラマキも可能です。ハズレがないのでお土産におすすめです。インスタントコーヒーの中でも、オススメのブランドをご紹介致します。
■G7のインスタントコーヒー
私たちがベトナムに行った時必ず買うのは、G7のインスタントコーヒーです。このブランドのコーヒーは、どこにでも売っています。
観光客が行く市場でも購入できますが、スーパーマーケットでも普通に売っていて安いので、スーパーで買うのがおすすめです。
箱に入っているタイプのものや、中には100パック入りの大袋まで売られていることがあります。バラマキ用や、箱として渡す用など目的に合わせて買えるので便利です。
■コーヒードリッパー/フィルター
ベトナムコーヒー用のドリッパーもお土産としておすすめです。
ちょこんとして可愛いので、インテリアとしてもピッタリ!もちろんちゃんと使えるので、ベトナムコーヒーを飲んでもらい、ベトナムの気分をシェアできます。
その時はドリップに時間がかかることをちゃんと伝えましょう!
■ベトナムコーヒーをモチーフにした雑貨
ベトナムコーヒーを淹れている様子はとても可愛く絵になるので、それらをモチーフにしたポスターや絵葉書、マグネットなどが売られています。
それらをお土産にするのもオススメです。
カフェ風インテリアにぴったりなものありますし、ベトナムの雰囲気をみんなにシェアできます。
ベトナムはコーヒー好きにとっての穴場!
このようにベトナムは独自のコーヒー文化を大切にしている国です。
あまり美味しいといえないロブスタ種を工夫し美味しく飲めるようにしたり、良質のアラビカ種を栽培していたりとたくさんの楽しみ方があります。
コーヒーを好んで飲まない夫でさえ、ベトナムに来たらベトナムコーヒーを注文するほどです。
ベトナムはコーヒー好きはもちろん、コーヒーをあまり好きでない人にとっても外せない穴場だと言えるでしょう!
ベトナムに来た時にはぜひ!一度試してみてください。