「ナシクラブって何?」
「ナシクラブの青いご飯がちょっと怖い」
「ナシクラブが気になるけど本当に美味しい?」
と、考えることはありませんか?
マレーシアに来たからには、マレーシアっぽい料理を食べたいと思いますよね。
ナシクラブは見た目こそ興味深いものの、青い色のご飯や盛り付けが日本食とあまりにもかけ離れているので、挑戦するのに勇気が必要かもしれません。
そこで今回はナシクラブの青いご飯の正体や、美味しい食べ方について紹介します。
正体や魅力について知ると「食べてみたい」と、思えるかもしれません。
ナシクラブとは?
ナシクラブは、マレーシアで食べられるマレー料理です(マレーシアでは主に、マレー料理、中華料理、インド料理が食べられます)。
特徴は、なんといっても青いご飯。
初めてみる人は
「インスタ映えしそう!」
「キレイな色だ!」
「青いご飯なんて本当に存在するんだ」
など、色々な感想を持たれるかもしれません。
筆者が初めてナシクラブを見た時には、青いご飯に対して率直に「本当に美味しいの?」と思いました。
美味しそうに食べる地元の友人を見て、疑う気持ちを抱いてしまったのを、今でも覚えています。
しかし、ナシクラブの魅力を知って以来、マレーシアの料理の中でも大好きな料理の一つの仲間入りを果たしました。
ごはん・サラダなどで作る
ナシクラブを一言で表すと、ご飯とサラダを混ぜたものです。
青いご飯に、もやし、キャベツをはじめとする野菜、ピクルス、サンバル(唐辛子のソース)、魚入りのサンバル クラパというココナッツフレークなどが添えられています。
フライドチキンや、チキンカレー、ビーフカレー、マトンカレー、魚などを追加することも可能です(ちなみにマレー料理はハラル料理なので、豚肉はありません)。
ほとんどの場合、メインディッシュとして肉類や魚を追加します。
日本ではあり得ない料理なので、見た目も興味深くインスタ映え間違いナシです。
ナシクラブの味の感想は?
ナシクラブは、野菜、サンバル、サンバルクラパ(ココナッツフレーク、クロポッ(せんべいのようなもの)、ミックスハーブ、ソルティードエッグ(塩漬けにしたゆで卵)などいろいろな具材をトッピングしているのですが、食べるとなぜか一つにまとまって美味しいのです。
青いご飯はココナッツの香りがするものの、味自体はそれほどしっかりとついているわけではありません。
ココナッツフレークの味が、ところどころ主張し、いろいろな食材たちのまとめ役になっています。
野菜のシャキシャキ感や、ソースのまったり感など、いろいろな食感も一度に楽しめるのも嬉しいポイントです。
マレー料理はコッテリとしたものが多いですが、ナシクラブはあっさりとしています。
青い色の正体はチョウマメの花
「ナシクラブの青い色はどこから来るのだろう?」と思うのではありませんか?
実は、チョウマメという豆科の植物の花からとられています。
チョウマメは、マレーシアではよく見かける植物で、道を歩いていると咲いているのを見かけることも珍しくありません。
超豆の花の形は、えんどう豆の形とよく似ていますが、ツユクサのような鮮やかな青色です。
ご飯を炊く時にチョウマメの花を一緒に入れることで、青い色のご飯が炊き上がります。
いかにもグロテスクな色合いのご飯でも、自然のものを使っていると知ると安心するのではないでしょうか?
むしろ「こんな鮮やかな色になるの!」と、自然の素晴らしさに感動します。
ちなみに、お店によっては自然由来の色ではなく合成着色料を使っていることもあります。
合成着色料を使ったご飯は、自然由来の色に比べてかなりハッキリとした色です。
あまりにも鮮やかすぎる色合いの時には、自然由来でない可能性も否定できません。
チョウマメの花は地元では目に良いとされている
チョウマメの花は、地元では目に良いとされていて、目が疲れた時に積極的に取り入れています。
例えば、お茶にして飲んだり、お菓子の着色に使って、キレイな青色のお菓子を作ったり……。
鮮やかな青い色になるので、暑いマレーシアの中で清涼感を与えてくれます。
白、黄色のご飯のナシクラブも
ナシクラブの特徴は、青いご飯と紹介しましたが、お店によっては白米やターメリックで炊いた黄色のご飯を使うことがあるんです。
白や黄色のご飯でも、青いご飯と同じく野菜(サラダ)、ピクルス、ココナッツフレークなどがかかっています。
ちなみに、マレーシアでは黄色いご飯や、赤いご飯などカラフルなご飯が多いことが特徴です。
黄色いご飯には、他にもナシミニャという人気のマレー料理があります。
「ナシクラブ」の言葉の意味・書き方・発音
ナシクラブはマレー語で「ナシ=ご飯」「クラブ=サラダ」の意味です。
名前のままと言ってしまえばその通りですが、ぴったりな名前だとも言えます。
ナシクラブをマレーシアで注文する時に、マレー語で「Nasi kerabu」と書いている表示を探しましょう。
読み、発音の仕方
ナシクラブの「ク」は、日本語の「ク」と「ケ」の間のような発音です(それで、ナシケラブと表記されていることも)。
ナシクラブを日本語の発音でそのまま「ナシ・クラブ」と発音してしまうと「na-shi ku-ra-bu」となります。
ほとんどの場合「ナシクラブ」で通じますが、マレーシア人に通じない可能性も……・
マレー語表記で「ke」となっているところを、日本の発音で無理やり「ク(ku)」と発音すると、マレーシア人にとって全く違う音に聞こえるためです。
万が一、通じなかった時には「ナシ・ケラブ」と言ってみましょう。
ナシクラブの美味しい食べ方を紹介!
せっかくナシクラブを注文するんですから、美味く食べたいと思いますよね。
ナシクラブの美味しい食べ方のコツは、下記の通りです。
- よく混ぜて食べる
- 手で食べると美味しい
当項目では、ナシクラブの美味しい食べ方について紹介します。
よく混ぜて食べる
ナシクラブは、初めによく混ぜて食べましょう!
上にいろいろなトッピングが載せられているので、一つひとつのトッピングを味わってみたいと思うかもしれません。
しかし、ナシクラブの本当の良さは、いろいろな具材が混じり合った時に生まれます。
味が上手に調和している味わいをじっくりと楽しむためには、いろいろな具材が均等になるようにしっかりと混ぜましょう。
ただ、メインディッシュとなる魚や肉は一緒に混ぜなくても構いませんので、ご飯と一緒に食べましょう。
手で食べると美味しい
手で食べると、ナシクラブを一段と美味しく感じやすくなります。
マレー料理は、インド料理と同じく手で食べる文化なので、手で食べることによって、味わい深くなるためです。
「え?手で食べるのと、スプーンで食べるのと本当に違うの?」と、思われるのではないでしょうか?
ところが、本当に手で食べる方が美味しいと感じるから不思議です。
手で食べることに関して「手の体温が関係している」という地元の人もいます。
人の手の温かさが料理に影響し、料理をさらに味わい深くしているのだとか。
本当のところはわかりませんが、筆者自身も手で食べた方が美味しく感じます。
ナシクラブの材料・レシピ・作り方の工程
「ナシクラブは実際にどんな材料で作られているのだろう?」と、気になることはありませんか?
ナシクラブは、主にサンバル(sambal)というチリソース、kuah tumisという甘酸っぱいソース、サンバル クラパという魚が入ったココナッツフレークなどたくさんのものがかかっています。
クラブ(サラダ)に使われる主な野菜を、下記にまとめました。
- もやし
- ロングビーンズ
- シカクマメ
- キャベツ
- きゅうり
ロングビーンズとシカクマメは、マレーシアではよく食べられる豆です。
日本で豆を食べる時には、加熱することが多いですが、ナシクラブは生のまま千切りにします。
もやしも、生のものです。
シャキシャキしていて、食べ応えがあります。
ナシクラブに欠かせないもう1つのものは、ミックスハーブ。
ハーブの香りがナシクラブをより爽やか&奥深いものにしてくれます。
ナシクラブに使われるハーブは、下記の通りです。
- Kaffir Lime Leaves(レモンリーフ)
- ベトナミーズミント
- トーチジンジャーフラワーの蕾(ラクサフラワーとも呼ばれる)
日本では聞き慣れないハーブばかりです。
Kaffir Lime Leavesは、地元ではシンプルにレモンリーフと呼ばれることも珍しくありません。
柑橘類の木の葉で、ゆずの葉っぱの形に似ています。
レモンリーフの葉を入れると、フレッシュで爽やかな香りがするので、マレー料理やタイ料理に使われることも少なくありません。
トーチジンジャーフラワーは、ショウガ科の植物です。
花の蕾は甘酸っぱいので、東南アジアでは料理によく使います。
上記のように、ナシクラブは東南アジアらしい食材をふんだんに使った料理なのです。
マレーシア現地でナシクラブを食べられるお店
現地で本場のナシクラブを食べたいのであれば、トレンガヌ州に行くのが絶対おすすめです。
ナシクラブはクランタン州、トレンガヌ州でとりわけ多く食べられ、安くて美味しいお店がたくさんあります。
その中でもトレンガヌ州は観光地としても人気なので、旅行客にも比較的行きやすく、旅行を楽しむついでにマレーシアのグルメが楽しめるのです。
トレンガヌでは、専門店はもちろん、屋台でもナシクラブが売られています。新聞紙やバナナリーフに包まれたまま売られていることもあり、ローカル感を楽しむのにもぴったりです。
ナシクラブを食べられるお店の一例
しかし、限られた旅行日程で、トレンガヌ州にわざわざ出向いてナシクラブを食べるのが現実的でない場合も少なくありません。
当項目では、首都のクアラルンプール、人気観光地のペナンでおすすめのナシクラブショップを紹介します。
Hayaki
Hayakiは、クアラルンプール周辺で本格的なナシクラブが食べられるお店です。
盛り付けも結構本格的なので、インスタ映えもしそうです。
Hayakiは、Damansara(ダマンサラ)に2店舗、Sunway(サンウェイ)とShah Alam(シャーアラム)にそれぞれ1店舗あります。
■Hayaki The Curve
所在施設:The Coffee Bean & Tea Leaf The Curve
所在地 :The Curve, Lot 153, Tingkat 1, 58, Jalan PJU 7/2, Mutiara Damansara, 47800 Petaling Jaya, Selangor, マレーシア
■Hayaki @ Damansara Uptown
所在地:61-G, Jalan SS21/1A, Damansara Utama Uptown, Damansara Utama, 47400 Petaling Jaya, Selangor, マレーシア
■Hayaki Sunway Putra
所在施設:Sunway Putra Mall内
所在地 :Sunway Putra Mall, 4-43A, No.100, Jalan Putra Mall, 50350 Kuala Lumpur, マレーシア
■Hayaki Shah Alam
所在施設:アカペラ・レジデンス – シャーアラム
所在地 :Sri Acappella Serviced Apartments, Jalan Lompat Tinggi 13/33, Seksyen 13, 40100 Shah Alam, Selangor, マレーシア
Restoran Anggerik Desa
Restoran Anggerik Desaではペナン島でナシクラブが食べられます。
食事の時間帯になると、レストランは大勢の人で賑わう人気店です。
ナシクラブだけでなく、マレー半島東海岸沿いのマレー料理が多く食べられます。
東海岸沿いは、マレーシアの中でも特にマレー料理が美味しい地方。
本格的なマレー料理をペナンで楽しめます。
■Restoran Anggerik Desa
所在地:21, Jln Todak 4, Bandar Seberang Jaya, 13700 Perai, Pulau Pinang, マレーシア
まとめ:マレーシアらしい料理を楽しもう!
ナシクラブは、東南アジアでよく食べられる野菜やハーブをふんだんに使ったヘルシーグルメです。
青いライスといい、見たことのない野菜といい、味だけでなく見た目にも十分に満足できます。
マレーシアらしい料理を食べたい人は、ぜひ挑戦してみてください。