日本人がマレーシア旅行を計画する際に人気の場所は、クアラルンプール、ペナン、マラッカ、レダン島などです。
しかし、マレーシア人(特にクアラルンプールに住んでいる華僑)にとっての人気旅行先はイポーです。
イポーはグルメ大国とも呼ばれるほどに、有名なグルメが多く、ちょっとした観光スポットもあります。それで、食い倒れ旅行にぴったりな街です。
この記事ではそんなイポーのおすすめショップや旅行のモデルコースをご紹介します。
イポーってどんな街?

イポーはマレーシアで、3番目に大きな都市です。
首都クアラルンプールからは車で3時間、電車で2時間半〜3時間弱と比較的近いので、連休の旅行先に人気です。
また、長距離運転に慣れている人は日帰り旅行をすることも珍しくありません。
そんな、イポーはちょっとした小旅行にぴったりな街です。
イポーの歴史的背景
イポーはもともと19世紀後半に世界的な錫(すず)鉱山産地として栄えた街です。
そのため、中国から多くの移民が集まりました。
また、イギリスの植民地時代には、ヨーロッパ風の建造物も多く建てられ、文化が混ざり合う独特の雰囲気のある街へとさらに大きく発展して行ったようです。それらの建造物は今でも残っています。
近年は、植民地時代に建てられた建造物を利用した、街角アートやレトロカフェなども人気で、観光スポットになっています。
イポーを観光するなら
イポーには幾つかの有名な観光スポットがありますが、特にローカルの間でも人気だなあと感じるスポットは次の3つです。
- 洞窟体験
- イポー旧市街
- イポー駅
イポーから車で30分ほどの場所にあるゴペンという街での洞窟体験は、ローカルにも人気の観光スポット。Instagramでアップしているのをよく見かけます。
40分ほどの簡単なトレッキングコースから、水中を歩いたり、狭い穴を通ったりするようなタフな体験ができる数時間コースなど、さまざまなコースがあります。
体調や、都合に合わせて希望したコースに参加できるので便利です。
暑いマレーシアで涼しい気持ちになれる場所でもあり、迫力のある自然を満喫できるスポットでもあります。
イポー旧市街は、歴史的建造物や壁アートなどを楽しめる場所です。
建造物を改装して作られたおしゃれカフェも多く、美味しいイポー料理も、堪能できます。
また、不定期でナイトマーケットを開催していることもあり、観光客や地元の人たちで賑わっている場所です。
近くには異国風の駅もあり、写真映えするので、ついでに足を伸ばしてみることもできます。
■旧市街地の写真スポット
Third Concubine Lane
Ipoh Mural
■イポー駅
イポーのグルメ情報
イポーは中国人の移民が多いという歴史的背景から、中華料理が美味しい街としてマレーシアの中でも有名です。
その中でもイポーは広東人が多く住む街なので、点心などの広東料理が美味しいイメージを受けます。
中国本土の中華料理とは異なり、マレーシアの中華料理はマレー料理など他の文化が混ざり合ってできた独特の味わいです。
イポーのグルメは、マレーシアの別の場所でも食べられるメニューが多いですが、ローカルの間では「イポーの味が格段に美味しい」という評価を受けています。
マレーシア人は高速道路で長距離移動しているときに、わざわざイポーで途中下車して昼ごはんを食べることも珍しくありません。
ローカルおすすめのイポーのショップ

私たちもイポーを訪れるときは、いろいろなイポーグルメを堪能するのを楽しみにしています。
ローカルに人気で、私たちも大好きになったイポーのグルメをまとめました。
チキンライスショップ

「イポーに行ったら絶対食べた方が良い」と言われるグルメの1つは、チキンライスです。
マレーシアで食べられるチキンライスは、チキンを丸ごと茹でたり、蒸したり、ローストしたりしたものと、チキンの茹で汁で炊き込んだご飯を一緒にいただくというスタイル。
もやしを一緒に食べることが多いです。
チキンライスは、マレーシア中どこででも普通に見かけるメニューですが、イポーのチキンライスは特に美味しいと言われています。
というのもイポーでは「もやし」が有名だからです。

実際に私たちが友人に勧められて食べに行ったお店は地元の人に人気の「Sam Ma Chicken Rice Restaurant」です。
実際に行ってみると、開店したばかりなのに関わらず、もうすでに行列ができていました。
待っている間、メニュー表を見ながら先にオーダーできます。
チキンともやし、ご飯(麺類もあります)などを注文しましたが、食べてみてびっくり!
チキンは柔らかく、ついてきたソースとの相性もバッチリです。
添えられている、チリソースやジンジャーソースも美味しく、食欲をそそります。
もやしもシャキシャキしていて、箸休めにぴったり!
観光客目当てではないので手頃な値段で、美味しいチキンライスが食べられるお店です。
- 場所:3, Jalan S. A. Lingam, Taman Ipoh Selatan, 31400 Ipoh, Perak, マレーシア
- 電話番号:+60177568562
点心

点心もイポー名物。朝ごはんに好んで食べられるグルメです。
イポーにはたくさんの点心ショップがあり、その多くはチェーン店ではなく独自で経営しています。
それぞれのレストランで味やメニューが微妙に違うので、食べ比べを楽しんだり、自分好みの点心ショップに通ったりする人も少なくありません。

私たちも、イポーでは今までいろんな点心ショップに足を運んできましたが、最近のお気に入りは「翠月楼」です。イポーに行く度に、このショップに立ち寄っています。
この翠月楼もどちらかといえば、地元に愛されるレストラン。
点心のサイズも比較的大きく、どっしりしているので食べ応えがあります。
また、点心といえばマレーシアグルメの中でも「ちょっと高級で高い」というイメージがありますが、値段も比較的リーズナブルです。
1つの蒸し器に3つほど入っているので、大勢でシェアしながらいろんな味を試してみる食べ方がおすすめです。
- 場所:2, 4 & 6, Tingkat Taman Ipoh 12, Taman Ipoh Selatan, 31400 Ipoh, Perak, マレーシア
- 電話番号:+60165345965
擂茶(レイチャ)

擂茶(レイチャ)はお茶や穀物、豆類などをすりつぶしてペースト状にし、野菜類と一緒にご飯にかけて食べるグルメです。マレーシア版のお茶漬けといったイメージです。
擂茶はもともと中国の中でも客家(ハッカ)のグルメで、広東ではありませんが、イポーに美味しい擂茶(レイチャ)のショップがあるので、イポーに来たときには必ず寄っています。

Jeram Wah Chai Lui Cha 也南華仔擂茶は、中華系フードコートの一角にあるショップです。
ボリュームたっぷり、具沢山の美味しい擂茶がリーズナブルな値段で嬉しい限り。
野菜もたっぷり入り、あっさりした味わいなので「旅行中に疲れを感じた時」「胃もたれした時」などでもサラサラ食べられます。
おじさんもとてもフレンドリーで、毎回行くと体も心も健康になった気持ちになれるお店です。
- 場所:Persiaran Greentown 10, Pusat Perdagangan Greentown, 30450 Ipoh, Perak, マレーシア
ホワイトコーヒー&エッグタルト

イポーはホワイトコーヒー発祥の地(とされている)としても有名です。
ホワイトコーヒーとは「ホワイト=何も加えていない」という意味。
マレーシアのコーヒーは焙煎の際に、砂糖やマーガリンを加えるのが主流です。もともとロブスタ種が多くて苦味が強かったため、苦味をマイルドにし、香りをプラスするために考え出された方法だと言われています。
それに対してホワイトコーヒーは、焙煎の際に何も加えずに焙煎する独特な方法なのだとか。
といっても、厳密に言うと、砂糖とマーガリンが全く入っていないわけではなく、本来のコーヒー焙煎方法に比べると少ないということだそうです。
どちらにしても、マレーシアではコーヒーを飲む際に、コンデンスミルクや砂糖をたくさん加えて飲むため甘くなるのですが…。
■マレーシアのコーヒー文化
マレーシアでは、主に中国系マレーシア人が利用するコピティアムという独特のコーヒー文化があります。日本で言うと喫茶店のような感じでしょうか。
コーヒーやちょっとしたスイーツ、スナックなどを食べながらみんなで語り合う憩いの場になっています。
その時に人気のスイーツの代表格は、エッグタルトと、焼包(豚肉のミンチをパイ生地で包んだもの)です。
どちらも、テイクアウトもできるので、小腹が空いた時に気軽に食べられています。
イポーには「ホワイトコーヒー」や、エッグタルト、焼包などを気軽に食べられるコピティアムが多いので、ローカル気分を味わいたい方にぴったり。
■コーヒーとエッグタルトのおすすめのお店

その中でも特に大人気のお店は「南香(ナムヒョン)」です。
マレーシア人の友人に連れてきてもらいましたが、彼女曰く「イポーに来たら絶対に立ち寄りたいくらいに美味しいお店」なのだとか。
実際にコーヒーとエッグタルトを注文してみました。確かに、マレーシア独特のコーヒー(KOPI)に比べると、甘ったるさがなくさっぱりとした味わいです。
またエッグタルトも、パイ生地部分がサクサク、中はしっとり&あっさりしたカスタードなので、ペロリと平らげました。
- 場所:2, Jalan Bandar Timah, 30000 Ipoh, Perak, マレーシア
- 電話:+60125888766
豆腐花

豆腐花は、豆腐にジンジャーソースや黒糖シロップなどをかけて食べるヘルシースイーツです。
華僑を中心としたマレーシア人に人気です。
日本で冷や奴を食べる習慣があった私にとって、初めて豆腐花をみたときは「美味しいの?」と半信半疑でした。
出来立ての温かい豆腐(冷やしても美味しい)と甘いシロップとの相性が抜群で、今は好んで食べるスイーツになっています。

イポーでも豆腐花のショップをいくつも見かけましたが、私のお気に入りは「Woong Kee BeanCurd」です。
屋台のようにカートの上で、豆腐花を販売している小さなショップですが、豆腐の味が深く、選べるシロップの種類も豊富です。
また、胡麻団子などのトッピングもできるので、自分好みの豆腐花を試せます。
私はジンジャーシロップに胡麻団子をトッピングしましたが、シロップは甘すぎず生姜の味がしっかりしていて、胡麻団子はもちもちした食感でした。
- 場所:291, Jalan Bercham, Taman Desa Kencana, 31400 Ipoh, Perak, マレーシア
- 電話:+60 12-517 7452


イポー旅行するなら?モデルコースを紹介
イポー旅行をする場合、日帰りか、宿泊するかによっても観光方法が変わってきます。
それぞれのツアーのモデルコースを紹介します。
日帰り弾丸食い倒れツアー
日帰り弾丸ツアーは、クアラルンプールをメインに観光し、1日だけイポーに立ち寄ってみたいときに計画できます。
- 1【イポー駅に到着】駅周辺の写真を撮る
- 2【旧市街地へ行く】イポーの旧市街地を街歩きする
気になるカフェに入ったり、レストランに入ったりする - 3【南香でコピティアム文化を味わう】
- 4【チキンライスショップへ行く】
- 5【イポー駅へ】
クアラルンプールへ戻る
クアラルンプールからイポーまで電車で2時間半ほどかかるため、往復する時間を考えると巡れる場所は限られてきます。
また、点心は朝食の時間帯にオープンしているショップがほとんどです。
点心を食べる目的でイポーに行く場合、ショップの営業時間を確認しましょう。
電車の到着時間によっては、日帰りでは厳しい可能性もあります。
2泊3日のツアー旅行
朝から点心を食べたい場合は、1泊〜2泊すると安心です。
例えば、クアラルンプールからペナンまで電車で旅行する計画を立てている場合、イポーで途中下車し観光を楽しんだ後でペナンへ進むことも可能です。
- 1【イポー駅へ到着】駅周辺の写真を取る
- 2【旧市街地で散歩する】
【旧市街地へ行く】イポーの旧市街地を街歩きする
気になるカフェに入ったり、レストランに入ったりする - 3【南香でコピティアム文化を味わう】
- 4【チキンライスショップへ行く】
- 1【点心を食べに行く】
- 2【洞窟探検のツアーに参加する】
どのコースにするかによって、その後のツアー内容が変わります。 - 3【豆腐花などのイポーグルメを満喫する】(時間が間に合えば)
- 4【旧市街へ戻る】
夕方から夜にかけての旧市街を街歩きする(タイミングが合えばナイトマーケットが開かれていることも)
- 1ホテルをチェックアウトしイポー駅へ戻る
クアラルンプールからイポーまでのアクセスは?
クアラルンプールからイポーまでのおすすめのアクセス方法は電車です。
実は私はまだ利用したことがありませんが、利用したことのある友人に聞くととても快適だそうです。時間もはっきりしており、本数も多いので、旅行の計画を立てやすいでしょう。
イポー観光を満喫しよう!

イポーは、マレーシア人の間(特に華僑)では人気の観光スポットで、美味しいグルメを満喫したり、旧市街地を街歩きしたり、自然に癒されたりできます。
「クアラルンプールだけではものたりない」「ちょっとだけ遠くへ足を伸ばしてみたい」「2回目のマレーシア旅行だから違う場所に行ってみたい」などの方にとってちょうど良い距離感です。
イポーの美味しいグルメを堪能してみてください。
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