マカオ観光の中心には、歴史市街地区という世界遺産エリアがあります。
ここには聖ポール天主堂跡を始めとする22の建造物と、セナド広場など8つの広場を合わせた30箇所の見どころがギュッと詰まっています。
東西文化の交差点であるマカオらしい、中国とヨーロッパを混ぜ合わせたカラフルな街並みが、マカオの世界遺産の魅力です。
この記事ではマカオの世界遺産の見どころ30箇所を、マカオ在住現役ツアーガイドの筆者が余すことなく紹介します。
歴史に興味がある方もない方も、気軽に楽しめるのがマカオの世界遺産の良さです。
■目次 <1ページ目> ●マカオの世界遺産の地図 (Googleマップ) ●セナド広場と周辺の世界遺産 - セナド広場 - 民政総署大楼 - 仁慈堂大楼 - 三街会館 - 聖ドミニコ教会 - 聖ドミニコ広場 - 盧家屋敷 - 大堂(カテドラル) - 大堂広場 - 聖オーガスティン教会 - 聖オーガスティン広場 - ロバート・ホー・トン図書館 - ドン・ペドロ5世劇場 - 聖ヨゼフ修道院及び聖堂 - 聖ローレンス教会 <2ページ目> ●聖ポール天主堂跡の周辺の世界遺産 - 聖ポール天主堂跡 - イエズス会紀念広場 - モンテの砦 - ナーチャ廟 - 旧城壁 - 聖アントニオ教会 - カモンエス広場 - カーザ庭園 - プロテスタント墓地 <3ページ目> ●媽閣廟と周辺の世界遺産 - 媽閣廟 - バラ広場 - 港務局 - リラウ広場 - 鄭家屋敷 ●マカオ半島のその他の世界遺産 / 旅行・観光情報 - ギア要塞 - マカオの観光おすすめスポット・名所25選 - 【マカオのおすすめ・人気グルメ】地元マカオ・ポルトガル・中華料理や穴場まで! - マカオのショッピング・買い物おすすめスポット17選
マカオの世界遺産の地図 (Googleマップ)
マカオの中心・歴史市街地区という世界遺産エリアにある、聖ポール天主堂跡を始めとする22の建造物と、セナド広場など8つの広場を一つの地図でご紹介します。
実際にマカオを旅行・観光する際に、それぞれの世界遺産の場所を把握して、上手く廻れるようにご活用ください。
セナド広場と周辺の世界遺産
セナド広場
まずはマカオの中心、セナド広場です。民政総署がポルトガル語で「レアル・セナド(王立議会)」と呼ばれていたため、「議会の前の広場」つまり「セナド(議会)広場」と呼ばれるようになりました。噴水があることから、「噴水池」の愛称でも親しまれています。
パステルカラーの建物と波模様の石畳がヨーロッパのような明るい雰囲気です。季節ごとのデコレーションも、華やかで目を引きます。この周辺には世界遺産の見どころが集中していますので、マカオ観光には欠かせないスポットです。記念写真は噴水の前からがおすすめです。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
マカオのランドマーク、グランドリスボアホテルから大通り沿いにまっすぐ歩いて10分弱です。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): セナド広場(議事亭前地, Largo do Senado) ・入場料: 無料 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・セナド広場(マカオ政府観光局)
民政総署大楼(現 市政署)
(民政總署大樓, Edifício do Leal Senado)
民政総署は、マカオのかつての国会議事堂でした。入口をくぐると、壁にはポルトガルのタイル「アズレージョ」が敷き詰められています。中庭へ向かう階段の上にはリボンの形をしたアーチ形のプレートが飾られています。これはポルトガル国王からマカオにおくられたものです。
中庭は屋外リビングルームとして使われるポルトガルの宮殿の中庭を模して造られました。中2階には図書館があり、歴史ある古い文献が収められています。2階には会議室や小さな礼拝堂があります。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
セナド広場から徒歩1分、信号をはさんで目の前です。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 民政総署大楼(現 市政署) ・入場料: 無料 ・開館時間 - ギャラリー: 9:00~21:00(月曜休館、祝祭日は開館) - 庭園: 9:00~21:00 ・公式/関連サイト:マカオ世界文化遺産・市政署/旧 民政総署(マカオ政府観光局)
仁慈堂大楼
(仁慈堂大樓, Santa Casa da Misericórdia)
仁慈堂はアジアで最初の孤児院、社会福祉施設としてマカオに誕生しました。ポルトガルでレオノール女王の肝いりで始められた仁慈堂は、マカオでは1569年にべルキオール・カルネイロ司教によって設立されました。
現在は2階が仁慈堂博物館として利用されています。博物館にはマカオで作られて日本のキリシタン大名に贈られた十字架の描かれた壺など、よそでは見ることのできない特別なものが収められています。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
仁慈堂はセナド広場内、噴水わきにあります。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 仁慈堂大楼(仁慈堂大樓, Santa Casa da Misericórdia) ・入場料: 仁慈堂博物館5MOP、学生と65歳以上は無料(パスポートおよび学生証要提示) ・開館時間: 10:00~13:00、14:30~17:30(月曜と祝日休館) ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・仁慈堂(マカオ政府観光局)
三街会館(関帝廟)
(三街會館, 關帝廟, Pagode Sam Cai Vu Cun)
三街会館は別名を「関帝廟」と言い、三国志の関羽を祀った道教のお寺です。関羽は信義にあつく蓄財にも長けていたため、商売繁盛の神様として民衆に愛されています。
マカオの商工会議所としての機能を果たしていました。メルカドーレス通り(市場通り)という場所にあり、ここはポルトガル人と中国人の住み分けの境界線でした。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
セナド広場から徒歩1分ですが、一本入った目立たない場所にあります。見逃さないよう気をつけてください。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 三街会館(三街會館, 關帝廟, Pagode Sam Cai Vu Cun) ・入場料: 無料 ・開館時間: 9:00~18:00 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・寺院 三街會館/関帝廟(マカオ政府観光局)
聖ドミニコ教会
(玫瑰堂, 板樟堂, Igreja de São Domingos)
聖ドミニコ教会は、メキシコのドミニコ会という修道会によって1585年に建てられました。ひんぱんに塗り直しをしており、美しい黄色の外壁が目立ちます。中央主祭壇に祀られているマリア様がロザリオをしていることから、「ロザリオのマリア教会」「聖母バラ教会」という可愛らしい別名でも親しまれています。
教会横右手奥の鐘楼には無料の天主教博物館があり、誰でも観覧できます。最上階の屋根裏部屋は建物の強度の関係から、一度に入場できる人数に限りがあります。特に係員などはいませんので、訪問者同士で譲り合って見学しましょう。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
セナド広場の入口から、まっすぐ奥に進んで徒歩5分ほどのところにあります。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 聖ドミンゴ教会(玫瑰堂, 板樟堂, Igreja de São Domingos) ・入場料: 無料 ・開館時間: 10:00~18:00 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・教会 聖ドミニコ教会(マカオ政府観光局)
聖ドミニコ広場
(板樟堂前地, Largo do São Domingos)
聖ドミニコ広場は、聖ドミニコ教会の前にある広場です。波模様の「カルサーダス」というポルトガルの石畳が美しいスポットです。聖ドミニコ教会をバックに記念写真を撮影するのに最適です。
街の市場やスーパー、薬局、パン屋さん、服屋、麺の有名店などが並ぶ街の中心にあり、教会とともに昔から人々の暮らしに密着しています。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
セナド広場の入口からまっすぐ奥に進んで徒歩5分ほど、セナド広場とドミニコ教会をつなぐ位置にあります。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 聖ドミンゴ広場(板樟堂前地, Largo do São Domingos) ・入場料: 無料
盧家屋敷
(金玉堂, Casa de Lou Kau)
盧家屋敷は、マカオの初代カジノ王盧華詔(ロ・ワシオ)の邸宅です。教会に囲まれたクリスチャン・シティの中心に中国建築があり、東西文化の交流地点との観点から大変貴重な建物です。
「富貴栄華」の文字をモチーフにした美しい透かし彫りなどの美しい内装は必見です。また風水にもとづいた、中庭や排水溝の特徴的なデザインも見逃せません。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
盧家屋敷は聖ドミニコ教会から徒歩1分ほどです。大堂に向かう途中の、カレーおでんなどの食べ歩きグルメの立ち並ぶ路地に位置します。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 盧家屋敷(金玉堂, Casa de Lou Kau) ・入場料: 無料 ・開館時間: 10:00~18:00(最終入館17:30;月曜休館、祝祭日は開館) ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・博物館とギャラリー 盧家屋敷(マカオ政府観光局)
大堂(カテドラル)
(聖母聖誕堂, Catedral Igreja da Sé)
大堂はカテドラルとも呼ばれます。マカオで一番権威のある教会です。
町の高台にあり、かつては貿易船の行き来がよく見えたため、「望人寺」(人待ち寺)という別名があります。船乗りの妻が、夫の無事を願ってよくここにお祈りに訪れました。
教会内部の美しいステンドグラスが見どころです。マカオの世界遺産の中では珍しく、観光客は入口までしか入場できません。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
盧家屋敷から徒歩1分ほど、聖ドミニコ教会からは2分ほどの場所にあります。セナド広場からなら歩いて7~8分です。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 大堂(大堂, 聖母聖誕堂, Catedral Igreja da Sé) ・入場料: 無料 ・開館時間: 9:30~18:00 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・教会 大堂/カテドラル(マカオ政府観光局)
大堂広場(カテドラル広場)
(大堂前地, 大廟頂, Largo da Sé)
大堂広場(カテドラル広場)は、東西折衷様式の噴水が目印です。しゃちほこが東洋、タツノオトシゴが西洋を表しています。記念写真撮影には、噴水越しに大堂を見る構図がおすすめです。
こちらの広場は教会の前にあり、ポルトガル風の建物に囲まれています。まるでヨーロッパのような街並みに見えるため、欧州車の広告撮影にも使われました。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
セナド広場から7~8分、聖ドミニコ教会から歩いて2分ほど、坂を上り切った場所にあります。大堂の目の前です。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 大堂広場(大堂前地, 大廟頂, Largo da Sé) ・入場料: 無料
聖オーガスティン教会
(聖奧斯定教堂, Igreja de Santo Agostinho)
聖オーガスティン教会は、スペインの聖オーガスティン修道会によって建てられました。別名を「龍鬚寺」と言います。教会修復の際に屋根に使われたヤシの葉が龍のひげのように見えたことから、こう呼ばれるようになりました。
ここはマカオで最も大きなキリスト教のイベントの一つ「パッソス聖体行列」を司る教会です。周辺に住むフィリピン人信徒のために、マカオで初めて英語でミサを始めました。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
民政総署から歩いて5分ほど、坂を上りきった突き当たりに位置しています。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 聖オーガスティン教会(聖奧斯定教堂, Igreja de Santo Agostinho) ・入場料: 無料 ・開館時間: 10:00~18:00 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・教会 聖オーガスティン教会(マカオ政府観光局)
聖オーガスティン広場
(聖奧斯定前地崗頂前地, Largo de Santo Agostinho)
聖オーガスティン広場は世界遺産4つが一堂に会する、世界でも大変珍しい場所です。聖オーガスティン教会、ロバート・ホー・トン図書館、ドン・ペドロ5世劇場、聖ジョセフ教会に隣接しています。
小さな広場には売店やベンチがあり、お天気のいい日はベンチに座って休憩している人も多いです。周りをパステルカラーのポルトガル風の建物に囲まれており、写真撮影にも最適です。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
民政総署から、坂を5分ほど上りきった場所にあります。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 聖オーガスティン広場(聖奧斯定前地崗頂前地, Largo de Santo Agostinho) ・入場料: 無料 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産 聖オーガスティン広場(マカオ政府観光局)
ロバート・ホー・トン図書館
(何東圖書館, Biblioteca Sir Robert Ho Tung)
ロバート・ホー・トン図書館は、マカオで最も大きな図書館です。噴水と緑のある美しい中庭で、時間を忘れてのんびりと過ごすことができます。
トイレや無料の水飲み場、冷房の効いた自習室などもありますから、観光の途中で立ち寄って一息入れるのにも最適です。
元々は19世紀に建てられた家で、ポルトガル人クンハ夫人のものでした。1918年に香港のロバート・ホー・トン卿が買い取り、別荘として利用していました。
彼の死後、この建物はマカオ政府に寄付され図書館になりました。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
民政総署から坂を上り切った場所にあります。セナド広場から歩いて5、6分です。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): ロバート・ホー・トン図書館(何東圖書館, Biblioteca Sir Robert Ho Tung) ・入場料: 無料 ・開館時間: 10:00~19:00(月曜から土曜) / 11:00~19:00(日曜) ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産 ロバート・ホー・トン図書館(マカオ政府観光局)
ドン・ペドロ5世劇場
(崗頂劇院, 伯多祿五世劇院, Teatro de Pedro V)
ドン・ペドロ5世劇場は、1860年にアジアで最初の西洋式劇場として誕生しました。現在でも、コンサートや演劇の会場として利用されています。
昼間は一階と二階の一部が一般公開されており、誰でも劇場内を見学することができます。美しいエメラルドグリーンの外壁はよく写真映えします。記念撮影にもぴったりです。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
セナド広場からは徒歩で6~7分です。坂を上り切った後、道なりに進んだ聖オーガスティン教会入口の向かいに位置します。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): ドン・ペドロ5世劇場(崗頂劇院, 伯多祿五世劇院, Teatro de Pedro V) ・入場料: 無料 ・開館時間: 10:00~18:00(火曜休館、祝日は開館) ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産 ドン・ペドロ5世劇場(マカオ政府観光局)
聖ヨゼフ修道院及び聖堂
(聖若瑟修院大樓及聖堂, Seminário e Igreja de São José)
聖ヨゼフ修道院及び聖堂は18世紀に創設され、1800年には「レアル・セミナリオ」(王立修道院)と呼ばれました。「小三巴」(小さな聖ポール天主堂)の愛称で親しまれています。
高いドーム型の天井や、らせん状の大きな柱が特徴的です。またここにはフランシスコ・ザビエルの遺骨が納められています。ザビエルは死後世界中に分骨されており、マカオにあるのは右上腕の骨です。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
聖オーガスティン教会から坂を下り、5分ほど歩いた場所に入口があります。ロバート・ホー・トン図書館に隣接しているのは裏口で、一般の人は利用できません。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 聖ヨゼフ修道院及び聖堂(聖若瑟修院大樓及聖堂, Seminário e Igreja de São José) ・入場料: 無料 ・開館時間: 聖堂 9:00~18:00(修道院は非公開) ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・教会 聖ヨセフ修道院及び聖堂(マカオ政府観光局)
聖ローレンス教会
(聖老楞佐教堂, 風順堂, Igreja de São Lourenço)
聖ローレンス教会は「風順堂」(風が順調に吹き抜ける寺)という別名を持ち、船乗りの家族が無事を願って祈りを捧げました。高台にあり、実際に気持ちの良い風が吹く場所にあります。
教会内のステンドグラスも見どころです。主祭壇に向かって右側には、3枚の聖ローレンスの物語が描かれています。左側には聖母マリアの奇跡を表した3枚の作品が飾られています。
■世界遺産/観光地の場所・行き方
聖ヨゼフ修道院および聖堂から徒歩2分の距離に裏門があります。正門からマンダリンハウス、リラウ広場までゆるい下り坂を徒歩で5分ほどの距離です。
■マカオの世界遺産情報 ・場所/地図(Googleマップ): 聖ローレンス教会(聖老楞佐教堂, 風順堂, Igreja de São Lourenço) ・入場料: 無料 ・開館時間: 7:00~21:00 ・公式/関連サイト: マカオ世界文化遺産・教会 聖ローレンス教会(マカオ政府観光局)