マカオは基本的に治安の良い都市です。
観光都市であり、カジノ客が安心して大金を持ち歩けるよう、治安の良さは高い水準で保たれています。
しかし、観光地にスリや置き引きはつきものです。
そのような盗難犯罪のほか、賭博詐欺やぼったくりタクシーなども発生しているため、マカオ旅行でも他の渡航先と同じように気をつけておく必要があります。
このページでは、マカオ現地在住ツアーガイドの経験と外務省から公表されている犯罪事例をもとに、マカオの治安・観光時の注意点を紹介します。
■目次: マカオの治安と注意点 1. 外務省によるマカオの治安・危険情報 2. マカオの観光における治安・注意点 - マカオの観光地(世界遺産や街・通りなど)の治安・注意事項 - マカオのレストラン・カフェの食事における治安・注意点 - ホテル・宿泊施設における治安・注意点 - マカオのホテル・宿泊施設における治安・注意点 - マカオのショッピングモール・お土産店における治安・注意点 3. マカオの交通機関における治安・注意点 - マカオの街中のタクシー利用における治安・注意点 - マカオの街中のバス利用における治安・注意点 - マカオのフェリーターミナルやフェリー利用における治安・注意点 - マカオ国際空港における治安・注意点 4. マカオのその他の治安や注意点 - マカオの夜中・深夜の街歩きや一人旅における治安・注意 - マカオのフェスティバル・花火などのイベントにおける治安・注意 - マカオ滞在中の健康面の注意 - マカオ滞在中の緊急連絡先 5. マカオの旅行・観光情報ページ (関連情報) - マカオの年間の気候・最新天気・台風注意情報などを解説 - マカオの最新物価情報(食事・観光・宿泊など)を解説
1. 外務省によるマカオの治安・危険情報
外務省によるマカオの危険情報は出ていません。
レベル1さえついておらず、基本的に危険なことは起きにくい地域です。
また、マカオは対日感情も比較的良好ですので、旅行中は基本的に安心して過ごせます。
しかし、スリ・置き引きなどの盗難事件や、「いかさま賭博」詐欺などの犯罪が発生していますので、くれぐれも注意が必要です。
また、カジノ以外での賭博行為はマカオでも法律違反です。
「いかさま賭博」は、中国人または東南アジア風のグループが旅行者に接近し、流ちょうな日本語や英語で「妹が日本に留学するから話を聞かせてほしい」などと、言葉巧みに自宅と称する家やホテルに誘いこむような事例です。
誘い込まれた先では、カードゲームの賭博行為を行い、うまいこと騙されて金品を奪われてしまうような犯罪が起こります。
一見良い人そうに見えても、見知らぬ人には安易に応じないようにしましょう。
■外務省のマカオの治安・注意情報 ・外務省の危険情報: マカオの危険/スポット/広域情報ページ ・外務省の犯罪発生情報: マカオの安全対策基礎データページ
2. マカオの観光における治安・注意点
マカオの観光地(世界遺産や街・通りなど)の治安・注意事項
世界遺産など観光客の多いエリアでは、プロのスリが現れることがあります。
持ち物は体の前に回す、チャックは必ず閉めるなど、身の回りのものに気をつけましょう。
また、マカオでは外出の際の身分証明書の携帯が義務付けられています。出かける際は忘れずにパスポートを持ちましょう。
まれに職務質問などを受ける場合があり、パスポートを所持していないと不要なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
日本人男性がサウナでパスポート不携帯だったため、警察に拘束されたという事例があります。
ゴミのポイ捨てや喫煙は最高でMOP1,200の罰金が科されることがあります。
ゴミ箱は屋内屋外問わずたくさん設置してあります。
また、屋内禁煙法のため、屋内で喫煙することはできません。
タバコは屋外の灰皿の設置してある場所、またはカジノの喫煙ルーム内のみ喫煙可能です。
マカオのレストラン・カフェの食事における治安・注意点
レストランでは、スリや置き引きなどの盗難事件が発生しています。
パスポートが盗難にあう事例もありますので、くれぐれも注意が必要です。
貴重品を置いたまま席を離れることは避けましょう。
また、座席の背中側にハンドバッグを置くことも置き引きの被害に遭いやすいです。
荷物は膝の上や足もとなど、見える場所に置くことをおすすめします。
なお、ファーストフード以外のレストランでは、おつりの小銭をチップとして残すのがおすすめです。
マカオのホテル・宿泊施設における治安・注意点
ホテルでは、貴重品を部屋に出しっぱなしにしないよう気をつけましょう。
客室清掃の際、アクセサリーなどを紛失するケースがあります。
大切なものは、鍵のかかるスーツケースの中や金庫にしまいましょう。
いかさま賭博などの詐欺にも十分気をつけ、見知らぬ人に話しかけられても安易に応じないようにしましょう。
枕銭は、1泊MOP20程度です。起きて部屋を出る前に枕の下に置きましょう。
そのほか、荷物を部屋まで運んでもらったり、ルームサービスや特別なお願いをした場合には、MOP10〜20程度渡すのがマナーです。
マカオのカジノにおける治安・注意点
カジノにはスリが出没しやすいですから、持ち物にくれぐれも注意しましょう。
また、カジノに集中しているすきに、横に置いた鞄が置き引きされるケースが多発していますので、特に注意が必要です。
カジノの中で話しかけられることもあります。
金貸しや、ゲームを教えて手数料を取る目的のことが多いですから、相手にしないのが一番です。
また、公共のカジノ以外での賭け事は法律違反ですので、誘われても着いていかないように注意しましょう。
多額の現金はできる限り持ち歩かないことも、何か危険があった時に安全です。
カジノ資金などでやむを得ず持ち歩く場合は、お金を分散して身につけ、お金を出す際に多額の現金を所持していると周囲に知られないようにしましょう。
なお、カジノ内は写真撮影禁止ですので、安易に旅行写真を撮影しないように注意しましょう。
マカオのショッピングモール・お土産店における治安・注意点
マカオでのショッピング中も、スリや置き引きなどの盗難事件に巻き込まれないよう気をつけましょう。
ハンドバッグはたすきがけにし、リュックサックはできるだけ避けるか身体の前に回しましょう。
時計、ハンドバッグなどのブランド品の模造品の購入や持ち込みは違法となっています。
偽物を売っている場所はあまり見かけませんが、勧誘に乗って安易に購入しないよう気をつけましょう。
マカオでの買い物に関する苦情についてはマカオ消費者委員会で受け付けています。
◎マカオ消費者委員会 電話:853-8988-9315 窓口業務:月~金9:00~13:00、14:30~17:45 (金曜日は17:30まで。土日、祝祭日は休み。)
3. マカオの交通機関における治安・注意点
マカオの街中のタクシー利用における治安・注意点
マカオのタクシー利用において、中には悪い運転手もいます。
乗り込んだらメーターが上がっているか必ず確認しましょう。
また、路上で客待ちをしているタクシーは利用せず、ホテルや町のタクシー乗り場から乗るか、流しのタクシーを利用しましょう。
それでも雨の日や早朝、台風の際には普段よりも高い料金を告げられることがあります。
別のタクシーを探すか、多少なら構わないと乗ってしまうかはスケジュールの都合などによって決める必要があります。
マカオ警察は不当に高額な金額を請求される事案について取締りを行っています。
料金に疑問を持った際は、運転手の氏名や車両番号を控え領収書をもらい、その後警察に相談しましょう。
マカオの街中のバス利用における治安・注意点
バスではスリや置き引きの被害にあわないよう、身の回りの物に注意しましょう。
なお、マカオのバス車内は飲食禁止です。
バス内の色の違う座席は優先席です。
年配の方や幼い子どもを連れた方、病気や怪我の方、妊娠中の方などが乗ってきたら譲りましょう。
バス料金はおつりが出ませんので、ピッタリ用意できなければ多めに支払うことになります。
小銭を多めに準備しておくと良いでしょう。
また、運転が荒いことが多いので、席に座るか手すりをしっかり持ちましょう。
マカオのフェリーターミナルやフェリー利用における治安・注意点
フェリーターミナルはスリが現れやすいですから、充分注意しましょう。
また、トイレや待ち合い室、フェリー船内にパスポートや荷物を置き忘れるという事例も度々発生します。
置き引きや盗難に気をつけることはもちろん、忘れ物のないよう身の回りのものをしっかり管理しましょう。
乗船中は安全のため、シートベルトが装着されている座席では、必ずシートベルトを着用することをおすすめします。
出入境ゲートは写真撮影禁止ですので、安易に旅行の思い出に写真を撮らないように注意して下さい。
また、マカオ入国の際、MOP12万(170万円程度)以上の持ち込みには申告が必要です。
マカオは出入国書類は不要ですが、出国の際は、入境の際にパスポートにはさまれる入境申報表を併せて審査官に提示します。
マカオ国際空港における治安・注意点
空港でもスリや置き引きに注意しましょう。
近年、搭乗中に乗客が眠っているすきに頭上の荷物置き場から金品を盗難する事例が発生しています。
貴重品は手元や足元から離さないよう気をつけましょう。
出入境ゲートはフェリーターミナル同様、写真撮影禁止です。
また、同じくマカオ入国の際、MOP12万(170万円程度)以上の持ち込みには申告が必要です。
出入国書類は不要ですが、入境時にパスポートにはさまれる入境申報表を出国時に審査官に提示します。
4. マカオのその他の治安や注意点
マカオの夜中・深夜の街歩きや一人旅における治安・注意
マカオは治安のいい街ですが、できるだけ夜間の一人歩きは避けましょう。
深夜に出歩く際は複数人で行動し、暗い路地裏は避け、屋内通路での移動や明るい大通りを通るよう心掛けましょう。
深夜の公園などでは、カジノで負けて一文無しになった人が潜んでいて強盗をするケースがあると言われます。
凶器を持っていると危険ですので、万が一強盗にあった場合は抵抗しないようにしましょう。
夜は暗く死角ができやすい公園には近づかない方が良いでしょう。
また、住宅地などでは一本路地裏に入ると細い道が入り組んでいたり行き止まりになったりします。
一人旅で観光地以外を歩く場合は、路地裏は避けた方が無難です。
マカオのフェスティバル・花火などのイベントにおける治安・注意
人出が増えるフェスティバルや花火などのイベントの際は、スリなどの盗難にくれぐれも注意を払いましょう。
バッグ等は常に身の回りに置き、チャックは必ず閉め、リュックサックはできる限り避けるか前に抱えるなどしましょう。
パスポートなどの貴重品は肌身離さず身につけ、現金は分散して持つと安心です。
また、屋外で活動する場合は、虫刺されに注意しましょう。
蚊が媒介する感染症として,日本脳炎,デング熱,チクングニヤ熱,ジカ熱等があります。
虫よけを利用するのがおすすめです。
マカオ滞在中の健康面の注意
マカオで食あたりする方はほとんどいませんが、肝炎が多いので、野菜を含めて加熱処理されたもの以外は食べないようにするなどの注意が必要です。
また、水道水は飲用に適しません。煮沸をしてから飲むか、市販のペットボトルの飲用水を利用しましょう。
春から夏にかけては高温多湿となり、汗をかきやすいので観光中は水分補給を心掛けましょう。
また、マカオは石畳の街です。石畳は濡れるとすべりやすくなりますので、雨の日の観光は足元に注意しましょう。
マカオ滞在中の緊急連絡先
スリや置き引きなどの盗難事件や、悪質タクシーの被害にあった場合は警察に連絡しましょう。
また、体調が悪くなった場合や救助が必要な場合は救急車を呼びましょう。
◎警察・救急車・消防署 ・電話番号: 999 パスポートの紛失時は、警察で盗難(紛失)証明書を取得した後、香港の日本領事館に連絡します。 また、事件や事故に巻き込まれた場合や、大規模な自然災害や騒乱、戦争などが起きた場合には、日本領事館に連絡しましょう。 ◎在香港日本国総領事館 ・電話番号: 852-2522-1184(24時間対応) 夜間・祝祭日の緊急時には、852-2522-1184を掛け、案内が流れ始めたら「9」を押してください。 ・住所: 46 - 47/F, One Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong (香港中環康楽広場8号交易広場第一座46楼及47楼) ・開館時間 - 領事業務窓口(46階)受付時間: 月~金 9:15~12:00、13:30~16:45 (土、日・休館日を除く) - 査証(ビザ)業務窓口(46階)取扱時間: (査証は、外交・公用案件、人道に関わる緊急案件等のみ対応。 一般査証の申請は「日本ビザ申請センター」での受付となります。) ・ウェブサイト: 在香港日本国総領事館 (Consulate-General of Japan in Hong Kong) ・ウェブサイト: 日本ビザ申請センター(JVAC) ・緊急時の連絡先: 医療・通訳・弁護士・クレジットカード・警察や政府関係の電話番号一覧
5. マカオの旅行・観光情報ページ (関連情報)
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