今年でマレーシア在住歴12年になる筆者がマレーシアからさまざまな情報をお伝えします!
海外では「チップ」の習慣がある国が多く、チップの習慣がなく、経験も少ない日本人には、なかなか慣れないことですよね。
訪れる国にチップの習慣があるのかどうかも気になるところです。
私も、以前はじめてアメリカを訪れたときに、レストランでチップをめぐって大失敗をして、恥ずかしい思いをし、その後は、訪問前に必ずチップの習慣の有無を確かめるようにしています。
今回この記事では、マレーシアのチップ事情について、シチュエーションごとに詳しく紹介していきます。マレーシアを訪れる予定のある方、ぜひ参考にしてください!
マレーシアはチップは必要ではない?
マレーシアは、隣国のシンガポール同様に、「イギリス連邦」に加盟しています。
しかし、チップの習慣は特にないため、提示された金額をそのまま支払えば大丈夫ですよ。
マレーシアに住んでいて、また国内旅行をしたときに、チップを要求されたり、無言の圧力を感じたりすることは、これまでに一度もありませんでした。トラブルになったことももちろんありません。
しかし、チップの義務がないというだけですので、心地の良いサービスを受けた時や、助けてもらったりした時に、感謝の気持ちを表すために、少額のチップを「心付け」として渡すのは日本と同じです。
2番めに少額の紙幣である「5リンギット(約157円)」程度を渡すといいでしょう。5リンギットあれば、ローカルのコーヒー(現地では「コピ」と呼ばれます)が2杯飲め、意外と喜ばれますよ。
さりげなく、相手にも気を遣わせないように、チップをさっと渡すのを見ると「スマートだなあ」と思いますし、自分が上手くできたときには、お互いに気分もよくなり、朗らかな心持ちになれますよね。
さりげなく渡すことを常に心がけています。
シーン別のマレーシアのチップ文化・相場
ホテルのルームサービス・ベッドメイキングのチップ
ホテルでも、基本的にチップを渡す必要はありません。
ただ、ポーターが荷物を運んでくれた場合には、感謝の気持ちを表すことが、やはり紳士淑女の振る舞いとして慣習となっています。
5リンギット(約157円)紙幣を渡すぐらいが目安・相場になるでしょう。
部屋まで荷物をもって案内してもらったら、別れ際にさりげなく手渡ししましょう。
ルームキーパーにも特にチップは必要はありませんが、いわゆる「枕銭」として2リンギット(約63円)程度をおいておくとスマートでしょう。
ルームサービスを頼んだ場合は、飲食物にはすでに10%のサービス料とサービス税6%が入っていることが多いので不要です。
アメニティーなどを追加してもらったり、追加のサービスを頼んだりした場合には、心付けとしてチップを渡しましょう。
ホテルで飲食する場合にも、サービス税とサービス料が加算されている(「++」と書いてあります)ケースが多いので、チップは必要ありません。
サービスに満足して、感謝の気持ちを表したい場合には、もちろんチップを渡しても構いません。
レストランの食事・会計時のチップ
すでにお伝えしたように、レストランでは、「SST」と呼ばれるサービス税6%と、サービス料金10%が加算されているところが多いので、チップを別途渡す必要はありません。
ただ、美味しい食事や素晴らしいサービスに、感謝や感激の気持ちを表す場合には、チップ(2〜5リンギット=約63~157円)をさりげなく手渡しするか、請求書ホルダーに釣銭(通常はコインを)を残したままにして渡しましょう。
チップを心配せずに、マレーシア独特の、マレー系、中国系、インド系の文化が生み出した、それぞれの伝統的な美味しい料理を楽しめるのは楽しいことです。
さらに、スマートにチップを渡せたときには、料理もよりおいしく感じられ、良い思い出になりますよね。
フードコートやカフェで食事をとる場合には、提示された料金のみを支払えばいいでしょう。「心付け」に関しても、まずは心配する必要はありません。
心行くまで、マレーシアの美味しい料理を楽しんでください!
タクシー・Grab利用時のドライバーへのチップ
タクシーを利用するときにも、基本的にはチップは必要はありません。
また、タクシードライバーからチップを求められるようなこともありません。
表示された金額を支払えば、まったく問題はありません。
荷物を運んでもらったり、心地よい運転や会話で楽しい時間を過ごせた、その感謝の気持ちを伝えるために、心付けとしてチップを渡すのはもちろん大丈夫です。
レストランのときと同様に、支払いのとき、おつりでもらった小銭を置いていきましょう。コインをそのまま残したり、2リンギット(約63円)程度渡すといいでしょう。
ただ、あまり経験がないようで、「えっ、なんで…」という不思議な顔をされたり、「never mind !」と笑顔でお金を返されることも多いですよ。
Grabを利用する際には、あらかじめGrabのアプリでの決済となるので、基本的には車内でお金のやり取りはありません。
時間通りの運航や快適な運転、楽しい会話に感謝の気持ちを伝えたいときには、降りるときにそっとチップ(2〜5リンギット=約63〜157円)を笑顔で手渡しましょう。
現金での支払を選択する場合には、タクシー利用時と同じように、おつりを残しておくとスマートです。
観光地やツアーガイドへのチップ
ツアーにはすでにサービス料金が含まれているので、観光地やツアーのガイドさんへ別途チップを渡す必要はありません。
マレーシアは、マハティール元首相が40年前に始めた「ルックイースト政策」の影響か、また、多くの日本企業が進出して現地の方を採用しているためか、親日家の方がほとんどで、ツアーなどで嫌な思いをすることはまったくありません。
また、長い間、多くの民族が調和を保って生活をしているからか、温和で親切な方が多くその点でも、個人でも安心して観光できます。
観光地でも、多くの東南アジアの観光地で見られるような強引な客引きや、しつこく付きまとわれたり、勝手に観光案内をしゃべって、あとで「料金は?」などと言われることもありません。
みな、ドラマや漫画などで知った日本語を一生懸命に話しかけてきたりして、意外と和やかな時間が過ごせます。
素晴らしいガイドに感動・感激し、その気持ちをガイドさんに伝えたい場合には、ツアー中は笑顔で対応し、別れ際に「ありがとう!(日本語で大丈夫です。ありがとうと言って嫌な顔をされたり、けげんな顔をされた経験は一度もありません!)」と言って、チップとして10リンギット(約315円)程度(10リンギット紙幣1枚)をさりげなく手渡せばいいでしょう。
マッサージ・スパ利用時のチップ
日本では、あまり日常的にマッサージを受ける機会は少ない人が多いかと思いますが、東南アジアでは、マッサージを気軽に、わりと頻繁に受ける習慣があります。
また、マレーシアでは、非常にリーズナブルな価格でマッサージが受けられるため、楽しみにされている方も多いでしょう。
首都クアラルンプールでは、中国式マッサージやタイ式マッサージ、流行りのインド式マッサージ アーユル・ヴェーダ、そして女性に人気のフェイシャルと、さまざまな種類のマッサージ店がそろっています。
主流はタイ式と中国式ですが、いろいろと試してみるのもいいかもしれませんね!
また、ホテルなどでは、スパの使用料を払えば、マッサージを受けなくても、ラウンジなどの施設を使用できるところもあるので、確認してみましょう。
マッサージもスパも、利用時にチップを渡す必要はありません。
ただ、他のシーンと同じように、感謝や感動の気持ちを表すために、チップを渡すことは問題ありません。
さりげなく、5リンギット(約157円)程度を笑顔で渡すといいでしょう。
ゴルフキャディへのチップ
マレーシアでは、ゴルフする場合には、キャディさんをつけるのが一般的(コースによっては規定)です。
マレーシアのキャディーさんは、英語を話すことができるので、まずは安心ですね。
ゴルフ場によっては、男性のキャディさんがついて、アドバイスもしっかりしてくれる場合もあります。
マレーシアでも、ゴルフでキャディさんにチップを渡すのは一般的です。
キャディさんへのチップには、もちろん規定はなく気持ち次第ですが、他のシーンよりは少し多めに渡します。
プレーヤー1人につき10リンギット(約315円)程度が多いようです。
ゴルフというリッチな娯楽のためか、他のシチュエーションとは違い、キャディの方も、プレーヤーからチップをもらうことをある程度期待しているようです。
渡すタイミングとしてベストなのは、プレーが終了したときに、感謝を伝えながら、さりげなくそっと渡すといいでしょう。他のキャディさんもいるので、周りに気を遣ってスマートに渡しましょう。
マレーシアの物価やお金(通貨)についてはこちらもご確認下さい。