シンガポール在住歴12年の筆者がおすすめするシンガポール情報です!
海外旅行をする際に最も気になるのは、やはりお金、つまりその国の通貨についてですよね。どのような通貨が使われていて、どんなコインや紙幣があるのか。
そして、現在の物価、とくに使うことが多い食事やタクシーなどの価格は、旅行前に必ずチェックをするという方も多いことでしょう。
コロナ禍を越えて、これから海外旅行や海外での就職も検討している方もいると思います。
そこで今回の記事では、気になるシンガポールの通貨の単位や、硬貨や紙幣の種類、額、現在のレートがどのくらいで、両替はどこですればいいのかなど、気になるシンガポールのお金にまつわる事情についてご紹介します。
隣国のマレーシアやインドネシア(すぐまじかにあるバタム島は人気の旅行先です)に足を伸ばされる方も多いと思いますので、こちらもあわせて紹介します!
シンガポールの通貨単位とレート
シンガポールの通貨の単位はシンガポールドル(S$)で、その100分の1が1セント(¢)です。通貨コードはSGDで、日本では、星ドルと呼ばれることもあります。
1965年にシンガポールは独立し、1967年には独自の通貨シンガポールドルを使い始めました。
シンガポールの通貨の歴史は、シンガポールのその当時の状況を反映しており、14世紀には中国の硬貨を使用し、19世紀になるとスペインやメキシコの銀のドルを使用しました。 19世紀の途中には40年ほどはインドルピー、20世紀の初頭には海峡ドル、そして第2次大戦中には、大日本帝国政庁発行の軍票が使われていました。
なお、1940年から独立まではマレードルが使われていました。
シンガポールドルは、シンガポールの経済発展に伴い、アジアの主要通貨の一つになっています。
また、シンガポールドルの紙幣はブルネイ国内でも使用でき、逆に、ブルネイ紙幣もシンガポール国内で使用できます。これは、シンガポールとブルネイ両国の通貨は、条約により等価と定められているためです。ただし、自動販売機での使用はできず、硬貨の使用もできません。
通貨の発行は、2002年から現在のシンガポール通貨金融庁が行っています。
最新と過去の日本円レートについて
2023年10月時点の対円のレートは、1シンガポールドルが108.49 円です。
■シンガポールドル・日本円最新レート
ここ10年ほどの為替レートを確認すると、2012年には1シンガポールドルは63.87円でした。この年あたりから徐々に円安傾向になり、2015年には88.08円まで円安が強まります。
その後2020年までの5年間は、ほぼ1ドル80円前後を維持していましたが、円安傾向が再び強まり、2022年には95.29円に達します。
そして、2023年の4月には、1ドルが100円台に到達し、その後現在までに急激に円安が進んでいる状況です。
■世界や日本と比較したシンガポールの物価はこちら
シンガポールの通貨の種類(紙幣と硬貨)
それでは、シンガポールの通貨にはどのような種類があるのかを見ていきましょう。
紙幣
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— PMG (@PMGnotes) March 6, 2022
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— PMG (@PMGnotes) June 12, 2022
紙幣には、2ドル、5ドル、10ドル、50ドル、そして100ドルがあり、あまり流通はしていませんが1,000ドル、10,000ドルの紙幣(どちらも現在は発行されていません)もあります。
シンガポールの紙幣には、英語、中国語、マレー語、タミル語という4つの公用語で国名が記載されていて、多民族国家ということが紙幣でも見て取れます。
また、すべての紙幣には、初代大統領(シンガポールは大統領が元首ですが象徴的な存在で、内閣と政治の運営は首相が行っています)であるユソフ・ビン・イサークの肖像が描かれています。
紙幣は、現在ポリマー紙幣(プラスチック)への切り替えが進められていて、2ドル、5ドル、10ドルはすでに発行されていて、紙の紙幣とポリマー紙幣の両方が流通しています。
硬貨(コイン)
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硬貨には、1ドル硬貨と、1、5、10、20、50セント硬貨があります。ただ、1セント硬貨は回収し始められていて、現在ではあまり流通はしていません。
1ドル硬貨は、外側が黄銅メッキ製で、内側はニッケルメッキになっています。初めて手にしたとき、独特のデザインにビックリして、集めました。
10、20、50セント硬貨はニッケルメッキスチール製で、5セント硬貨は黄銅メッキスチールが使われており、製造中止になった1セント硬貨は銅メッキ鋼鉄でした。
硬貨の表面には、シンガポールの国花であるバンダ・ミサ・ジョアキム(蘭)がデザインされています。
シンガポールの紙幣と硬貨は、日本と同じように、国のアイデンティティや歴史を象徴するデザインになっています。
対米ドルレートについて
シンガポールは、今では東京や香港をしのぐ、アジア屈指の金融センターとして発展しています。
金融において東南アジアのハブであるシンガポールは、すでに紹介したように「通貨金融庁」が通貨を発行しており、金融政策を行なっていて、他国とは異なり中央銀行がありません。
そして「通貨バスケット制」という仕組みを採用しています。
通貨バスケット制とは、世界の主要通貨に自国の為替レートを連動させる仕組みです。
米ドルだけに連動させる「固定相場制」を採用している香港ドルや、日本円のように、流動的なマーケットとなる「変動相場制」とは違い、シンガポールの「通貨バスケット制」は、固定相場制と変動相場制の中間になります。
ただし、シンガポールでは、どの通貨と、どのような比率で連動させているかは非公開になっています。しかし、基軸通貨であるアメリカドルとは非常に高い相関性が見られます。
通貨バスケット制を採用している理由は、国の規模が小さいことから、変動相場制にした場合、通貨の乱高下が起こるリスクが高すぎるためです。
シンガポールドルの対米ドルレートは、2023年10月5日時点では、1シンガポールドルは0.73米ドルです。直近10年のレートは、1シンガポールドルが0.73米ドルから0.80米ドルの変動にとどまっています。
■シンガポールドル・米ドル最新レート
両替・換金のおすすめの場所や方法
海外旅行のときに心配なのは、日本円からの両替がスムーズにできるかどうかですよね。シンガポールでは、空港にはいくつかの銀行が両替所を開設していますし、ホテルでも両替してもらえます。
また、街中には、至るところに「公認両替所(Licensed Money Changer)」があるので非常に便利です。
まず、日本出国前に、日本で両替するのはやめておきましょう。日本で両替しても交換率がいいのは、米ドルやユーロなどの主要な通貨に限られます。
チャンギ空港での両替も、できれば必要最小限にとどめた方がいいです。チャンギ空港にある各銀行の両替窓口は、為替レートが電光掲示板で表示されており、レートもまずまず適正で安心です。レートは銀行によって若干異なります。
ただし、市内にある両替所の方がレートがよい場合が多いので、当面必要な額を替えておきましょう。
ホテルでも両替してもらえますが、ホテルの手数料が入ってくるので、チャンギ空港や市内の両替所と比べると少し損になります。ただ、フロントで基本的に24時間対応してもらえるので、旅行者には安心ですね。
市内にある両替所では、一般的に空港やホテルよりは良いレートで両替ができます。
ただし、店舗によりレートが若干違います(隣り合って開設しいる場合もありますが、レートは違います!)ので、しっかりと確認が必要です。
市内でレートが良いと有名なのは以下の3カ所です。
ラッキープラザ
古くから、シンガポールで両替と言えば「ココ!」というくらい有名なビルで、私もほぼここを利用しています。地下1階に両替所がいくつか集まっています。ただし、レートは各店舗で違います。
ムスタファ センター
リトルインディアにあるショッピングセンターで、最近は周辺が観光客に人気のため、両替所にも人が集まっています。いくつか店舗がありますが、レートはそれぞれ異なります。
ピープルズ パークコンプレックス
チャイナタウンにあるショッピングセンターで、このエリアを観光する場合は近くて便利です。複数の両替所がありますが、レートは異なります。
両替するときに、電光掲示板でレートを確認する際に注意が必要なのは、「Buy」と「Sell」のどちらを確認するかです。
日本円をシンガポールドル(外国通貨)に両替するときには、「BUY」の数字が小さい方がお得です!逆に、帰国する際に、シンガポールドルを日本円に換金するときには、「SELL」の数字が大きい方がお得です!
現地の支払い/現金・小銭の持ち歩きについて
キャッシュレス化はシンガポールでも急速に進んでいて、実に消費者の97%が、何らかのキャッシュレスサービスを利用しています。
サービスの種類としては、デビットカード、交通系IC、クレジットカード、そして最近では、「QRコード(SGQR)」に統一されたQRコード決済も急速に進んでいます。
店舗での支払いでは、ネッツ(NETS)と呼ばれるデビットカードが圧倒的に使われていて、国民の90%以上が使用しています。
ネッツは、決済時に銀行口座から即座に利用金額が引き落とされるため便利ですが、シンガポールの銀行に口座を持っている人のみが利用が可能なため、観光客は使えません。
ただ、ホーカーズでは、デビットカードやQR決済が可能なお店も増えてきましたが、まだまだ現金での支払いが主流なので、ホーカーズに食事に行くときには、小銭を中心に現金を持っていくのを忘れないようにしましょう。
食事の値段は3〜5シンガポールドル程度が多く、お店によっては「50ドル札」での支払いを断られることもありますので、注意しましょう。
また、どこに行っても、夜ひとりで出歩いても安全なシンガポールですが、できる限り現金は持ち歩かずに、必要な分だけ両替所で両替したり、そこここにあるATMで引き落として使うようにしましょう。
クレジットカードも多くの場所で使えるので安心してください。
マレーシアとの通貨の違いと準備
最近では、シンガポールに滞在中に、お隣のマレーシアへ足を伸ばされる方も多くいます。
国境を接している(わずか1~2キロメートルほどの海峡があるのみです)マレーシアの最南端の街「ジョホールバル(地元では略して「JB」と呼ばれています)」には、日本人にも人気のレゴランドやサンリオのハローキティタウンがあり、シンガポール観光に組み込まれていることも多く、多くの観光客がシンガポールから訪れます。
そこで、気になるのはマレーシアの通貨についてですが、通貨の単位は「マレーシアリンギット(RM)」です。当然、シンガポールの通貨は使えませんので気をつけましょう!
タクシーのドライバーなどが「シンガポールドル OK!」と言っても絶対に使わないでください!レートがひどく損するだけです。
シンガポールで両替する場合には、すでに紹介した市内の両替所で両替するか、マレーシア行きの高速バスが出る「Goldenmile Complex」などでも両替できます。
また、マレーシアに入ってから、必要な分だけを両替する方が安心でしょう。あまり現金を持ち歩かないようにした方が安心です。マレーシアのJBでも、市内の至る所に両替所があるので心配はいりません。
マレーシア・リンギットの種類は、紙幣には1、5、10、20、50、100RMの6種類があり、硬貨は5¢(セント)、10¢、20¢、50¢の4種類があります。
シンガポールドルとマレーシアリンギットの本日時点(10月5日)でのレートは、1 シンガポールドル は3.45 リンギットです。
わずかな海峡を渡れば、シンガポールと同じような商品や食事を、シンガポールにいる時の半分ちょっとで買えたり、食べたりできるので、貨幣価値の差を上手く利用するといいかもしれませんよ!
ビンタン島の通貨の注意
#SobatRupiah, berikut perkembangan indikator stabilitas nilai Rupiah:
— Bank Indonesia (@bank_indonesia) October 6, 2023
1. Per 6 Oktober 2023, Rupiah dibuka pada level Rp15.615/USD.
2. Data transaksi 2-5 Oktober 2023, nonresiden di pasar keuangan domestik jual neto Rp2,50 triliun di pasar SBN
Klik 👉 https://t.co/5Yeplz3SL8 pic.twitter.com/tgwqimku1x
ビンタン島は、シンガポールの東南約40kmにあるインドネシアの島です。
フェリーを利用すればビンタン島へは 1時間ほどで気軽に行くことができるため、シンガポールの人々の週末のリゾート地としても人気を集めています。
ビンタン島内では、以前はUSドルかシンガポールドルでの支払いが可能でしたが、今では不可となり、島内での支払いは現地通貨であるインドネシアルピア(Rp)のみです。通貨は紙幣のみの8種類で、100、500、1,000、5,000、1万、2万、5万、10万札です。
本日時点(10月5日)での、シンガポールドルとインドネシアルピアのレートは、1シンガポールドル が11,386.37 ルピアです。
■シンガポールドル・インドネシアルピア最新レート
ビンタン島では両替できるところは少なく、ホテルか、ビンタン島のフェリーターミナル内にある両替所などですが、いずれもレートが悪いので、シンガポール国内で両替していくことをおすすめいたします。
また、安心のため、必要分のみ現金で持ち歩くようにしましょう!
ただ、バタム島に到着した時の、インドネシアのビザ代金の支払いに関しては、今まで通り、USドルかシンガポールドルの現金での支払いが可能です。
■シンガポールのお金事情の関連ページ