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シンガポールでチップは必要?習慣や相場を在住歴12年の筆者が解説

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シンガポール在住歴12年の筆者がおすすめするシンガポール情報です!

海外の旅行先で心配になるのは、その国の支払い方法ですが、シンガポールの支払い方法はどうなっているのでしょうか?
日本と同じようにキャッシュレス支払いはできるのか、QRコード決済は?
海外ではよくある「チップ」の習慣はあるのか、など心配になりますよね。

今回この記事では、シンガポールのチップ事情を中心に、気になるシンガポールの支払い方法や、お隣の国・マレーシアのチップの事情についても紹介します。

シンガポールへの旅行や、足を伸ばしてマレーシアへの訪問を予定している方、ぜひ本記事を読んで、参考にしてください。

シンガポールは「チップがいらない」は本当?

シンガポールのお金・紙幣

海外の国々、特に欧米諸国ではチップの習慣があり、戸惑った経験をお持ちの方も多いでしょう。

シンガポールは元英国領で、現在でも「イギリス連邦」に加盟しているので、やはりチップの習慣があると思われがちですが、実は、シンガポールにはチップの習慣はありません。そのため、提示された金額をそのまま支払えばOKです。
同様にチップの習慣のない日本人にとっては、心配事が一つ減りますね。

私も、タクシーやレストランなどでチップを払ったことは一度もありませんし、チップを強要されたことももちろん、トラブルになったこともありません。
日本と同じように、心地の良いサービスを受けたときに、感謝の気持ちとともに渡すことはあります。

また、よく見る光景としては、レストランやカフェなどで、現金で支払った時に、おつりが返ってきますが、コインの小銭や、少額の紙幣を受け取らず、請求書ホルダー(レストラン・チェック・プレゼンター)に挟んだまま戻すことは、結構一般的になっています。
私も、感謝と感激の気持ちを表して、同じように少額の釣銭はホルダーにはさんだりして残してくるようにしています。

シンガポールで大抵チップが必要ではない理由

シンガポールでは、レストランやホテルなどでは、基本的にはチップを払う必要はありません。

ただし、提示されている金額よりも多く支払わなければなりません。
これは、シンガポールには、日本と同じように消費税であるGSTが8%掛けられているからで、そこに、さらに10%のサービス料(ホテルやレストランなど)が課せられているからです。
したがって、レストランなどで食事をすると、表示価格に、GSTの8%とサービス料の10%、合わせて18%がさらに上乗せされているのです。
それを知ってないと、食事の後の支払い時に、レシートを見てびっくり!なんてことになります。レシートには「++」などと書かれていることが多いです。

つまり、既にサービス料として10%を上乗せして払っていることになるので、あらためてチップを渡す必要はないわけです。

ただ、ホーカーセンター(集合屋台)や、フードコートなど、基本セルフサービスで飲食する場所に関しては、サービス料の10%は課されません。また、チップも基本的には支払わなくても構いません。

ちなみに、GSTとは「Goods and Service Tax」の略称で、消費税というよりは、実質的には「物品サービス税」になり、2024年1月には9%に引き上げられる予定になっています。

シーン別のシンガポールのチップ相場・習慣

ホテルのルームサービス・ベッドメイキングのチップ

シンガポールのホテル・マリーナベイサンズ

ホテルでのチップの事情はどうでしょうか?

シンガポールのホテルに宿泊するときには、基本的にはチップは渡す必要はありません。
ホテルの料金に、すでにサービス料金が含まれているからです。
シンガポール旅行でのホテルの滞在で、すでにお気付きかと思いますが、シンガポールのホテルの料金は、周辺諸国と比べても非常に高くなっています。
ただ、サービスを比べると、やはりホスピタリティは優れていると感じますね。

ただ、ポーターに荷物を運んでもらった時には、チップをさりげなく手渡ししましょう。
チップの相場としては、シンガポールの紙幣の最低額である「2ドル紙幣」で構いません。折りたたんで渡しましょう。
ベッドメーキングのときにも同様で、枕の下などに2ドル紙幣をおいておきましょう。

良質で快適なサービスを受けたときには、感謝と感激の気持ちを表すためにも、恥ずかしがらずに、さりげなくチップを渡しましょう。

レストランの食事・会計時のチップ

先にもお伝えしましたが、レストランの食事の際にも、チップを渡す必要はありません。
レストランなどの価格には、サービス料金として10%が既に含まれており、これがチップの代わりになります。

シンガポールは、中国系、マレー系、インド系を中心に、それぞれの文化が生み出した、特色ある美味しいグルメがたくさん揃っています。
レストランやカフェはもちろんのこと、フードコートやホーカーセンターでも、それらのグルメを存分に味わえるのが、シンガポールの良さでもあり、シンガポール旅行の際には、ぜひ堪能して、エンジョイしていただきたい部分です。

チップの心配をしないで、美味しいグルメをいただけるのは、とても助かりますね。

もしも、食事の美味しさや素晴らしい接客に、感謝の気持ちを表したいときには、さりげなくチップを手渡しするか、請求書ホルダーにチップをはさんで渡しましょう。

感謝の気持ちをさりげなく、スマートに渡せると、なんだか食事ももっとおいしく感じられ、いつまでも心地よい気持ちが続きます。

タクシー乗車・荷物の持ち運びへのチップ

シンガポールでは、タクシーを利用する際にも、チップは必要ありません。
メーターに表示された料金を支払えばOKです。

ただ、注意が必要なのは、割増料金を取られる場合があることです。
①エリアによる追加料金
(シティエリア、チャンギ空港、ガーデンズ バイ ザ ベイ、リゾート ワールド セントーサなど)
これら特定の場所から乗車する場合、3〜8シンガポールドルの追加料金がかかります。

②時間帯での追加料金
 ●平日の朝(6:00〜9:29)と毎夜(18:00〜23:59)は25%の割増
 ●深夜(0:00〜5:59)は50%の割増

割増料金があるときも、基本的にはチップは必要ありません。

シンガポールのタクシーで安心なことは、他のアジア諸国のように「ぼったくり」に会うことが決してないことです。運転もそれほど荒くありませんし、みんな良心的なドライバーばかりです。

最近では「Grab」などの配車アプリを利用される方も多いですが、その場合も、アプリで事前に提示された金額を支払えばよく、チップはいりません。

心地よい運転だったり、話が上手くて楽しい時間を過ごせた、などで感謝の気持ちを伝えたい場合には、現金で支払った場合には、おつりの小銭を受け取らずに返したり、2ドル紙幣をたたんでそっと手渡せばOKですよ。

フードデリバリー(Grabなど)へのチップ

観光で行かれた場合、フードデリバリーを利用する機会はないかもしれません。
ただ、長期の滞在や、シンガポールに来てまだ日が浅い方は、Grabなどのフードデリバリーを利用する機会も多いことでしょう。
心配なのはチップが必要かどうかですよね!

安心してください!フードデリバリーへのチップも不要ですよ!
アプリでオーダーして、支払った金額以上の請求を受けることはありませんし、基本的にはチップも渡す必要はありません。

ただ、時間通りの配達や、荷崩れしていない配送に感銘を受けたりして、ドライバーにチップを渡したい場合には、他の場面と同様に、2ドル紙幣をたたんで、そっと手渡しましょう。

SNSなどを見ていると、最近シンガポールでは、フードデリバリーに心付けとしてチップを渡す方が増えているようです。

観光地やツアーガイドへのチップ

観光地やツアーガイドさんへのチップも、基本的には必要ありません。
ツアーにはサービス料金が既に含まれていますし、ガイドに別途チップを渡す必要はありません。
また、シンガポールでは、観光地で付きまとうように話しかけてくるようなガイド(?)を見かけることは皆無です。その点でも、安心して個人でも観光できます。

シンガポールは非常に治安が良く、世界で最も安全な国を選ぶ「世界平和度指数」の2023年の最新版で、 163カ国中で6位 にランクインされ、アジアで最も安全な国です。日本同様、というか、今では日本以上(日本は9位)に安全な国なので、ナイトスポットへの一人歩きでも、危険に会うことはありません。

もし、素晴らしいガイドをしてもらって感激し、その気持ちを伝えたい場合には、仏頂面せずに、いつでも笑顔で対応し、チップとして10ドル程度手渡せばいいでしょう。

チャンギ空港の施設でのチップ

シンガポール・チャンギ空港

ご存じのように、チャンギ空港は、東南アジアでも最大のハブ空港で、世界各地へと路線が飛んでいます。

チャンギ空港では、スタッフや、空港までのタクシードライバーにチップを渡すことが禁じられています。

シンガポールは「FINE CITY」と呼ばれることがありますが、もちろん「すばらしい都市」 の意味もありますが、「罰金(FINE)都市」という隠された意味もあり、シンガポールの人は自嘲的にこう呼んでます。

シンガポールは、非常に美しく整備された都市国家ですが、他の都市と差別化を図り、その独自の価値を死守するために、「クリーン&グリーン作戦」が採用されており、国を挙げて清潔度を維持することに努めています。そのため、さまざまな厳しいルールや細かな条例があり、チャンギ空港でのチップ禁止もその一つです。
この国では、ルールを破ると、非常に厳しい罰則・罰金が課されます。

感謝の気持ちを、言葉で表すか、笑顔で示すくらいに留めておきましょう。

マレーシアのチップの習慣・相場

シンガポールに滞在中に、お隣のマレーシアへ足を伸ばされる方もいらっしゃるでしょう。
国境を接する、マレーシアの南端の街「ジョホールバル(地元では略して「JB」と呼ばれています)」には、レゴランドやサンリオハローキティタウンがあり、渋滞がなければシンガポールの街中から、バスで1時間程度の距離にあるため、多くのシンガポールへの観光客が訪れます。

そこで、気になるのはマレーシアのチップ事情ですが、マレーシアもシンガポール同様にチップは必要ありません。

レストランでは、サービス税(「SST」と呼ばれ6%)が加算されているところが多いので、別途チップを渡す必要はありません。
ただ、「心付け」として感謝の気持ちを表す場合には、そっと2〜5リンギット(リンギットはマレーシアの貨幣単位。最小金額の紙幣は1リンギット、次が5リンギットです)程度を渡しましょう。

その他の場面でも、基本的にはチップは不要です。
心付けには、2リンギット程度が相場で、5リンギット渡せば十分でしょう(ローカルコーヒーなら2杯程度飲める金額です)。

更に詳しい現地のチップ文化と相場はこちらをご確認ください。

シンガポールの支払い事情・キャッシュレス

最後に、シンガポールの支払い事情について説明します。

シンガポールでも急速にキャッシュレス化は進んでおり、とくにコロナ禍中に一気に「非接触型の決済」が支払の主流になっていて、97%の消費者が利用しています(日本は32.5%)。
種類としては、クレジットカード、デビットカード、交通系IC、QRコード決済などが主流です。

地下鉄の運賃やレストランでの支払いはもちろん、コンビニの支払い、タクシーの支払い、デリバリーフードの支払い、ホーカーセンター(集合屋台)の支払いまでと、ありとあらゆる支払いがキャッシュレス化しているのがシンガポールの現状です。

ただ、現金しか使えないところもまだありますので、支払い方法を場所ごとに紹介しましょう。

交通機関(MRT、バス)

シンガポールでは、一般的に、MRTやバスなどの交通機関では、交通系ICの「EZリンク」カードを使用して乗車するのが主流です。
このカードは「suica」のようなもので、チャージをして使用することができ、旅行客でも購入が可能なので、MRTの駅の窓口で早めに購入しておきましょう!

ホテル・レストラン・カフェ・スーパー

こちらでは、デビットカードでの支払いがほとんどで、国民の90%以上が使用しています。ネッツ(NETS)と呼ばれるデビットカードは、クレジットカード決済などに対応していないお店でも利用でき主流ですが、シンガポールの銀行に口座を持っている人のみ利用可能です。
クレジットカードももちろん使えますが、VISAかMaster以外だと対応していない店舗があるので、使用時に確認が必要です。

デパートやショッピングモールの店舗

各店舗では、やはり上記の「NETS」での支払いが主流ですが、最近では、「ペイナウ(Pay Now)」での利用が増え、国民の約8割の人が日常的に利用しています。こちらも、国内に銀行口座を持っている人のみが利用可能です。
モールの店舗などでは、QRコード決済も急速に進んでいて、国内で使われている27の電子決済手段を受け入れる「QRコード(SGQR)」で統一され、ほとんどの大手販売店では、モバイル決済が可能になっています。

ホーカーセンター(集合屋台)

ホーカーセンターでも、少しずつキャッシュレス化が進んでおり、上記の「Pay Now」が使える店が増えています。
ただ、まだまだ現金での支払いのみ、という店が多いので、現金を用意しておきましょう。1品5ドル程度の食事が多く、50ドル紙幣は嫌がられる場合がありますので、小銭を用意していきましょう!
「Grab Pay」が使える店も増えているので、アプリを事前にダウンロードしておくと便利です!


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