シンガポール在住歴12年の筆者がお伝えする最新のシンガポール情報です!
シンガポールは観光やショッピングでとても人気のある国です。
はじめての観光旅行にシンガポールを選ぶ方が多い理由は、シンガポールの治安の良さにもあります。
シンガポールは非常に安全で、「日本よりも安全だなあ」と思うこともしばしばあります。
観光地や街中では、多くの監視カメラが設置されており、治安の維持には、非常に積極的に取り組んでいます。
しかし、旅行中に万が一にも、事件に巻き込まれないためにも、必要最低限の注意は忘れないことは大切です。
今回、この記事では、シンガポールの治安について、日本との比較や観光地・エリアごとの治安について説明していきます。ぜひ参考にしてください。
シンガポールのGPI治安ランキング(2023年)
世界平和指数(GPI)という指標があるのをご存じでしょうか?
国際的なシンクタンクである「経済平和研究所」が毎年発表していて、「平和の傾向」や「平和な社会を発展させる方法」、さらに「経済的価値」について分析をして、指数として表したもので、世界人口の 99.7% をカバーしています。
シンガポールはこのランキングにおいて、2023年の最新の発表で世界で6番目に平和な国にランクインしています。
2022年の9位からランクアップしており、アジアでは最も安全な国です。
他のアジアの国では、日本は9位、お隣のマレーシアが19位、台湾が33位に入っています。
シンガポールの、平和な社会を維持するための揺るぎない政策や、国内の平和や調和を維持する国家戦略に対する、効果的な施策が評価されています。
またシンガポールは、過去10年で目覚ましいランキングの上昇も果たしており、静かで安全な環境を維持するための、継続的な努力が非常に評価されています。
シンガポールの治安が良い理由
シンガポールの治安は極めて安定しているので、旅行者にとっては比較的安全な国です。
以前の記事でも紹介しましたが、シンガポールでは、治安の維持、街中の静けさや清潔さを維持するために、非常に厳しく取り締まりが行われており、さまざまなルールが存在します。
また、街中や観光地にはたくさんの監視カメラが設置されていて、積極的に治安維持に取り組んでいます。
なぜ、これほどまで厳しい法律や制度、ルールや施策が必要なのでしょうか?
その理由には、シンガポールは、さまざまな民族・文化的(中華系、マレー系、インド系が中心)、そして宗教的な背景をもった民族が暮らしていているため、争いや衝突を起こして治安を悪化させず、平和で安全に暮らしていくには、厳格な法律でコントロールするしかない、というのがあります。
シンガポールは夜でも治安は良い?必要な安全対策
シンガポールの犯罪率は日本と同じくらい低く、凶悪事件は少ないです。
したがって、観光で訪れて、犯罪に巻き込まれる確率は、ほとんどないと言ってもいいでしょう。
夜、ひとりで歩いていても怖いと感じたことはありませんし、街を歩いていて不安を感じたこともありません。
しかし、基本的な注意を怠らないことが必要です。
チャンギ空港やホテル、モールなどでは、置き引きやスリ事件が発生していますし、旅行者が、パスポートや金品を盗まれる事例も増えています。
また、女性が痴漢の被害にあったり、性犯罪の被害にあう事例もゼロではありません。
女性の方は、とくに夜間の単独行動は控えるようにしましょう。
犯罪などの被害にあわないためには、「自分の身は自分で守る」という、海外旅行では基本的な心構えをしっかりともつことが必須です。
そして、危険な場所には近づかないことが肝心です。
また、バッグを持つ時には、車道側の肩に軽くかけて歩くことはしないように注意しましょう。バイクなどで背後から近づき、ひったくられる可能性もやはりゼロではありません。
肩から斜めがけできるタイプのショルダーバッグやウエストバッグを、からだの前に来るように持ちましょう。そして、簡単に開けられないように、ファスナータイプのバッグを選ぶといいでしょう。
シンガポールで発生する犯罪と注意点
シンガポールでは、スリやひったくりが最も多い(全犯罪の40%以上)犯罪です。
とくにチャンギ空港は、世界中から航空便がやってくる、アジアを代表するハブ空港で、トランジット客も多いため、スリや引ったくりなどの被害も起きています。
荷物や貴重品はしっかりと管理するように、十分に注意してください。
MRTやショッピングモールでもスリは発生していますので、あまり余分な現金は持ち歩かないようにしましょう。
ホテルでの注意点
ホテルを利用する際にも、高級ホテルでも置き引きなどは事例がありますので、荷物から目を離さないように注意してください。
最近では詐欺も増えています。警察になりすまし、パスポートなどの情報を聞き出す手口も発生しているので、話しかけてくる人にも気をつけましょう。
夜のバーや繁華街の治安・注意点
また、夜はバーなどでの性犯罪やぼったくりなどのトラブルも起きています。
夜、繁華街などに出かける際には十分に注意しましょう。
子連れ旅行での注意点
子供を連れて旅行する時には、MRTなどの公共交通機関内で、子どもがお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりしないように気をつけましょう。
ついつい日本にいる感じで、車内で飲み物を飲んだりする方がいますが、公共交通機関内での飲食は厳しい罰則がありますので、注意が必要です。
旅行前に、あらかじめシンガポールの厳しいルールについて確認しておいた方がいいでしょう。
シンガポール観光における治安・注意点
タクシー・バス・電車(MRT)など交通機関利用の注意点
シンガポールの公共交通機関は、日本と同じように、非常に清潔で安全に整備されています。ただし、ラッシュアワーなどの混雑時や深夜の利用時には、貴重品はしっかりと手元に置いて、常に注意を払いましょう。
また、すでにお伝えしたように、飲食は厳しく禁止されていますので、しっかりとルールを守るようにしましょう。
タクシーやGrabなどを利用する際には、高額請求される恐れがまったくないわけではありません。
チップの必要もないので、一般的には表示された料金を支払えばOKです。
万が一、金額がありえないほど高い場合には、ドライバーの名前や車のナンバーを確認して、すぐにタクシーを降りましょう。
また、チャンギ空港から市内までの乗車には追加料金がかかります。
さらに早朝や深夜(深夜24:00から翌朝5:59まで)には、運賃の50%の割増料金が発生するため、タクシー料金が跳ね上がりますので、承知おきください。
ナイトサファリ観光の注意点
ナイトサファリに限らず、人が多く集まるところや観光地では、観光客を狙ったスリや置き引きの被害が発生しています。
スリや置き引きの被害にあわないためには、必要以上の多額の現金を持ち歩くことはせず、また、バッグは必ず自分の前方で抱え持つようにしましょう。
また、自分の周囲にいる不審者や同乗者には注意しましょう。
ナイトサファリは、24時まで営業しているため、帰りの時間が深夜になります。
ナイトサファリ周辺はそれほど危険ではありませんが、ホテルに帰るのは相当遅い時間になるので、十分に注意が必要です。
タクシーやGrab利用時にも、請求料金には気をつけましょう。先にお伝えしたように、深夜料金についてもしっかりと確認しておきましょう。
カジノでの注意点
日本でカジノというと、裏カジノのイメージが強く、怖い・違法というイメージがあるのではないでしょうか?
シンガポールでは、カジノは政府公認で、合法的に遊べるので、シンガポールを代表する観光スポットにもなっています。
カジノは、ギャンブルなので、当然金銭面や依存症などの怖さはありますが、それを除けば怖さありませんし、シンガポールのカジノは、むしろクリーンで華やかです。
治安が良くて、観光客は入場無料なので、遊び方が分からなくても、行ってみる価値があるのがシンガポールのカジノです。
政府公認のカジノ(マリーナベイサンズとリゾートワールドセントーサの2カ所)はクリーンで安全に運営されているので、治安に関する心配は全くありません。
入場する際には、大きな荷物を持ち込むことができないので、パスポート(必ず必要)や財布などの貴重品を入れるための小さめのバッグを用意しましょう。
政府公認カジノ以外にも、闇カジノなどの違法なカジノは存在しているので、絶対に手を出さないようにしましょう。
また、シンガポールでは、オンラインカジノは違法なので、こちらも絶対に利用することがないようにしてください。
シンガポールのエリアや観光地の治安・特徴・安全対策
繁華街・歓楽街のゲイランの治安
ゲイラン(Geylang)は、シンガポールで唯一の売春街で、日本で言えば歌舞伎町のような街ですが、B級グルメの店もたくさんあり、昼も夜もにぎわっています。
ただ、道を一本間違えると、歓楽街や売春街に入ってしまうので、夜、特に女性一人で歩く場合には避けた方が良いでしょう。
昼間のグルメタウンが、夜になるとガラリと雰囲気が変わり、違法な行為が行われているケースもあり、安全なシンガポールの中でも最も治安が悪い危険なエリアになるので、夜に訪れるのは避けることをおすすめします。
チャイナタウンの治安
チャイナタウンは、地元の人も訪れ、多くの観光客も訪れる場所です。
食べ物も安くて美味しいため、毎日たくさんの人で終日にぎわっています。
観光スポットもあり、観光客が多く、常に人混みがあるため、スリや置き引きなどの犯罪が多発しています。
貴重品には十分に気をつけて、現金もあまり多く持ち歩かずに、必要最低限のお金だけをを持ち歩くようにしましょう。
バッグも、常に口が開いていないかを確かめるか、簡単に開けられないファスナータイプのバッグを選ぶといいでしょう。
ダウンタウン・コアの治安
ダウンタウンエリアでは、治安に関しては特に心配する必要はありませんが、人も多く、歩道も狭く、車の数も非常に多いので、事故に巻き込まれないように注意を払いましょう。
とくに、ウインカーを出さないで、急に右折や左折をしてくる車が多いので、携帯電話を使用しながら横断歩道を渡ることもやめましょう。
事故に巻き込まれないように、しっかりと左右の安全を確認し、歩き携帯は絶対にやめましょう。
カトン地区の治安
カトン(Katong)は、シンガポールの中心部から少し離れた、東部に位置する地区です。
最近では、プラナカンスタイルと呼ばれる伝統的でカラフルな建築が人気になっています。また、素敵なカフェや雑貨店が点在していて、女性にも人気のあるエリアです。
美しいショップハウス(縦長の店舗)が点在していますが、これらは、今でも普通に地元の方が暮らしています。
写真撮影の際は、マナーを守って、地元の人の迷惑にならないように心がけましょう。
また、車の通行量も多いので、絶対に車道には下りないように注意してください。
カラン地区・ラベンダー駅周辺の治安
カラン(Kallang)とラベンダー(Lavender)地区は、若者に人気のファッショナブルな街「ブギス(Bugis)」へのアクセスが良く、手頃な価格の宿泊施設が多い地域です。
また、最近ではカフェも多く、にぎわっているエリアです。
ただ、店が閉まる夜の10時以降になると、静かな寂しい街になるので、夜出歩く際は注意したほうがいいでしょう。
ホテル周辺では、スリなどの軽犯罪が多発するので、観光客が訪れるときには注意が必要です。
ブギスの治安
ブギス(Bugis)は、人気の観光地「アラブストリート」や「リトルインディア」からも近く、おしゃれなお店もたくさんあります。
また、おしゃれなアクセサリーや小物が露店に並ぶ「ブギス ビレッジ」もあり、夜になると、地元民や観光客でとてもにぎやかです。
スリや引ったくりが多いので、被害にあわないように、貴重品の管理は確実に行うようにしましょう。
また、大きな通りが何本も交差していて、交通量が多いので、車には十分に気をつけてください。
とくに、日本とは違い、横断歩道を青信号で渡っていても、基本的には車優先で、歩行者側が気をつけなければならないので、車には十分に注意しましょう。
リトルインディアの治安
インド系の人々や、外国人労働者が多く集まっているエリアです。
安価にバラマキ用のお土産を買うには最適な、24時間営業の「ムスタファセンター」という大型スーパーがあり、多くの観光客でにぎわっています。
夜になると、外国人労働者やインド系の人がビールを飲んだりしていてとてもにぎやかですが、スリなどの被害も多いエリアなので、できれば昼間に訪れると良いでしょう。
また、インド系の祭りやイベントの期間中には、ものすごい数の人々が集まるので、トラブルを起こさないためにも、訪問しない方がいいでしょう。
異国情緒があり、シンガポールの中ではひときわわい雑な雰囲気のするエリアなため、観光には楽しいエリアですが、貴重品の管理には十分に気をつけ、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。
オーチャードの治安
多くの方がご存じのように、世界を代表する超繁華街です!
世界中から多くの観光客がショッピングを楽しみに訪れます。
観光客が多くても、治安の維持・管理がしっかりされていて安全です。
ただし、休日などには大変な人ごみになりますし、マネーチェンジャーがたくさんありレートもいい「ラッキープラザ」では、スリなどに注意する必要があります。
また、オーチャードにはゴミひとつも落ちておらず、美しく整備されています。
これは、シンガポールの顔的なエリアを、ゴミのポイ捨てなどから守るためです。
街歩きをする時にも、ポイ捨てなどをしないように注意が必要です。
クイーンズタウンの治安
クイーンズタウン(Queens Town)は、住宅街が多く、治安のいい街です。
トラブルにあう可能性が高いのは夜です。
特に「ホランド・ビレッジ(Holland Village)」は、美味しい飲食店が多く林立していて、バーなどの飲み屋も多く、外国人も多く集まっています。
狭いエリアに多くの店舗が林立し、人々が集まるため、トラブルに巻き込まれたり、スリやひったくりにあう可能性もあります。
節度を保ち、貴重品には十分に気を配り、観光や飲食、おしゃれなバーの雰囲気や美味しいお酒を楽しみましょう!
マレーシア国境周辺の治安
シンガポールと、隣国マレーシアのジョホール州とは、海で隔たれてはいますが、1Kmほどの長さの橋で繋がっており、毎朝、毎晩、通勤や通学、輸送のために、両国間を多くの車やバス、トラックが行きかっています。
カスタム(税関)は非常に混雑していて、私も、最悪時にはシンガポール側で6時間、マレーシア側で1時間ほど、トイレも我慢して並んでいたこともあります。
警備も厳しく、治安も悪くはありませんが、疲れて注意散漫になりがちなので、ポケットなどの中身に注意は必要です。
また、シンガポールのカスタムに近い「ウッドランド(Woodlands)」エリアは、シンガポールとマレーシアがミックスしたような、独特の雰囲気とわい雑さのある街ですが、スリやひったくりには十分な注意が必要です。
隣国のマレーシアの治安・安全対策・注意点についてはこちらのページをご確認ください。