イタリア旅行の人気都市のフィレンツェは、ドゥオーモや市場など、魅力的な観光スポットに心惹かれますが、現地の治安状況はどうしても気になりますよね。
移動で利用するサンタ・マリア・ノベッラ駅前周辺、タクシーや地下鉄の利用、また、夜中や早朝などの出歩きは治安が良いのか、それとも悪いのか。
今回は、フィレンツェ現地在住の筆者が、最新の治安状況と旅行時の注意事項について解説します。
■目次 1. フィレンツェの治安は悪い? 2019年最新状況と個人旅行における注意点 2. フィレンツェの地域エリア・場所ごとの治安と注意 - サンタマリアノヴェッラ駅内の治安と注意: 駅構内も電車内もスリに要注意! - サンタマリアノヴェッラ駅前・駅周辺の治安と注意 - 中央市場周辺の治安と注意: 夜中の出歩きはNG - ドゥオーモ周辺の治安と注意: 基本的に安全だが夜の出歩きは注意 - ヴェッキオ橋周辺の治安と注意 - シニョーリア広場周辺の治安と注意 3. フィレンツェ観光の時間帯・シチュエーションごとの治安と注意点 - ホテル宿泊時の注意と治安: 盗難犯罪、金庫にも要注意 - バス利用時の注意と治安: 一番危険!スリには厳重注意! - 買い物時の注意と治安 - レストラン利用時の注意と治安: サービス料の支払いとスリに注意 - タクシー利用時の注意と治安: 料金は事前に要確認 - 夜・夜中の時間の観光・出歩き時の注意と治安 - 早朝の時間の観光・出歩き時の注意と治安 4. フィレンツェの主な犯罪事例と注意対策 - スリ・ひったくり・置き引きの注意 - 車上荒らし・盗難の対策・注意 - ニセ警官に注意 - ぼったくり(バーなど)の被害と注意 - パスポート盗難被害・対応 5. 犯罪に巻き込まれたときの対応・緊急連絡先 - 緊急電話番号/大使館・領事館 - 警察署への盗難届の申請方法/場所 - 緊急時のためのイタリア語 - 夜注意したい地域と警察署の地図
フィレンツェの治安は悪い? 2019年最新状況と個人旅行における注意点
イタリアの治安は、外務省情報による危険レベルは低いですが、日本にいる時と同じ気持ちで行動することは大変危険です。
特に、スリ、ひったくり、置き引きの被害に遭う観光客は後を絶ちません。楽しく安全に滞在するために留意していただきたい注意点です。出発前にぜひご確認ください。
■外務省の海外安全ホームページ >> イタリアの危険情報/安全対策など
フィレンツェの地域エリア・場所ごとの治安と注意
サンタマリアノヴェッラ駅内の治安と電車利用の注意: 駅構内も電車内もスリに要注意!
サンタマリアノヴェッラ駅構内は、多くの人が行き交う場所です。何人ものスリのプロが観光客が気を緩める瞬間を狙っています。
どんなに急いでいても、どんなに疲れていても貴重品の管理ができるようにしましょう。
特に、自動販売機で切符を購入する際は、注意です。
前方からは、ジプシーがご慈悲をと物乞いに来ます。それに気を取られていると背後からかばんの中の財布を狙っている者がおり、切符を買い終わった後はその切符を盗ろうとする者、お釣りを盗むものがいます。
切符は、「Trenitalia」のサイトから購入するほうがよいでしょう。(改札の係員、車掌に携帯のQRコードを見せればOK。)。
そして一番、心弾むとき、電車が来て乗るときです。スリの心も弾んでいます。皆さんが電車に乗ることで頭がいっぱいになっていて、スリにとって絶好の瞬間です。
電車の上り口には階段が二段ほどあります。これを登るとき背後からスリが狙っており、多くの人が実際に被害にあっています。
また、電車内で自分の席を探す際、狭い通路をすれ違う瞬間に財布を掏られるケースもあります。席に座るまで気を抜かずいつも貴重品には注意しましょう。
更に、席に座っていても注意が必要なケースもあります・・・私は車内で携帯電話を持ったまま寝てしまい(疲れていたんですね・・・)、起きたら携帯電話は、もうありませんでした・・・
サンタマリアノヴェッラ駅前・駅周辺の治安と注意
日中、駅周辺は、貴重品に注意して行動すれば問題はありませんが、駅前マクドナルド周辺、駅から続くナツィオナーレ通り付近への深夜の外出は、ひったくりの被害も報告されているので避けましょう。
最近では、電車を降りた時からホテルまで偶然を装い二人組で尾行し(二人組の女性、家族連れの場合もあり)、ホテルに入る瞬間に貴重品を盗むというスリも発生しています。
貴重品は、リュック 、チャックなどで閉めることができないバッグには入れないようにしましょう。
中央市場周辺の治安と注意: 夜中の出歩きはNG
市場が位置するサンロレンツォ広場周辺は、皮製品、フィレンツェの工芸品の露店で賑わい混雑しています。そして、ここにもスリはいます。
貴重品は、必ず外から手の届かない位置に持ち、リュックは体の前に持ちましょう。
⚠️⚠️⚠️ 深夜の中央市場付近では、歩行者のバッグを引っ張り盗む犯行が多発しています。バッグが手に入るまで引っ張り、転倒させ、怪我をさせるひどい手口です。
女性は特に深夜にこの付近を歩かないようにしましょう。
ドゥオーモ周辺の治安と注意: 基本的に安全だが夜の出歩きは注意
ドゥオーモ周辺は比較的安全な地域です。中央市場の庶民的な雰囲気と比べ建物も洗練され、高級店が立ち並ぶ地域です。
しかし、ドゥオーモ広場の喧騒が嘘のように静かな路地が周辺にあります。夜遅く移動する際、細い路地は避け、大きな道をできるだけ通るようにしましょう。
ヴェッキオ橋周辺の治安と注意
ヴェッキオ橋付近も比較的安全な地域です。橋を渡った先にあるサント・スピリト広場は、週末になると広場に若者が集まり、お酒を野外で楽しんでいます。
夜も更けてくると大きな声を出す者、踊りだす者がいますが、危害を加える者は、あまりいません。
大麻を吸っている若者もいますので、むやみに話しかけたりして事件に巻き込まれないようにしましょう。
シニョーリア広場周辺の治安と注意
この地域も安全な地域です。ライトアップされた夜のシニョリーア広場、ヴェッキオ宮殿、ウフィツィ美術館は必見です。
貴重品に注意しながら、食後にジェラート片手にお散歩していただきたいです。
しかし、どんな時も貴重品は、盗られないように管理し、細い路地には入らないようにしましょう。
フィレンツェ観光の時間帯・シチュエーションごとの治安と注意点
ホテル宿泊時の注意と治安: 盗難犯罪、金庫にも要注意
ホテルでは、チェックインの際にホテル側がパスポートのコピーをします。その際に、必ずパスポートが戻ってきているか、自分のものであるか確認しましょう。
ホテル室内には大抵金庫があります。そこに貴重品を入れることもできますが、私はホテルの金庫は利用しません。
ある旅行者の方が、金庫にパスポートなどの貴重品のすべてを入れ夕食に行き、気持ちよく帰ってくると、なんと部屋は荒らされ、金庫ごとパスポート、貴重品を盗まれた事件を目の当たりしました。
それ以来、ホテルの金庫も信用しなくなりました。
私はイタリア在住15年になりますが、イタリア国内に泊まる際は、パスポート、クレジットカード、現金は未だに服の中に隠せる腹巻(ボコボコしてかっこよくはないですが)に入れて持ち運び、金庫には入れません。
高級ホテルなどでは、流石に盗まれる可能性も低いかと思いますが、盗難に遭うとそれで旅行が台無しになるので私は金庫に入れません。
バス利用時の注意と治安: 一番危険!スリには厳重注意!
フィレンツェ旅行中、何よりも一番危険なのがバス、トラムです。最近では、在住何年にもなる友人、そしてイタリア人までが続々と被害にあっています。
旅行者だけではなく、狙えそうな人なら誰でもやるという感じです。
友人によると、その犯行は一瞬だそうです。
バスの降り口に立っていて、背後から財布を抜き取られた感覚があったので「盗んだ財布を返しなさい!!」と叫んでも知らぬ顔。その周りにいた全員がスリの仲間だったようです。
バスに乗ったらできるだけ席に座りましょう。座れない場合は、降り口に立たない、バッグ、リュックは前方で持つ、チャックを閉める。
男性はズボンのポケットに財布を入れない。座った際も絶対に眠らない! スリは一人ではありません。家族、子ども、二人組で結成されていることが多いです。
親切に「スリに気をつけて!」と話しかけてきたおばさんが、実はスリだったということもありました。
私は、考えごとをボケーっとしながら座席から降り口に3歩進んだ間に、財布を盗まれました。人間なので考え事もしますし、疲れもします。
そんなときでもスリから手の届かないところに貴重品があればスリも諦めます。そこに財布が見えるから盗るのです。
内ポケットのあるバッグ、必ずチャックのあるバッグを持ち歩きましょう(腹巻が一番ですが・・・)。
17、23、12、6番などの通勤、通学で使われる路線の混む時間帯にスリがいることが多いです。混んでいなくても必ずかばん、リュックは体の前です。
買い物時の注意と治安
買い物時の被害はあまりありませんが、クレジットカードで買い物する際は、入力された値段が正しいか、PINを見られていないか確認しましょう。
現金で購入の際は、お釣りが正しいかをいつも確認しましょう。
レストラン利用時の注意と治安: サービス料の支払いとスリに注意
レストランの食事のシーンでは、サービス料(COPERTO)の確認をしましょう。サービス料は、メニューの片隅に書いてあります。
会計の際は、食事の料金、飲み物、サービス料を合計した値段になっているか、合計の金額だけを見て払うのではなく、詳細を確認してから払いましょう。
食事の間、荷物は通路から手の届くところには置かないようにして、膝の上、足元に置きましょう。
レストラン店内にもスリが入ってきて、通路を通り過ぎる際にバッグを盗まれることもあるので、椅子などには掛けないようにしましょう。
⚠️⚠️⚠️ レストラン、店のレジに並ぶ際、会計に並んでる際に後ろからバッグから財布を抜き取られるケースもあるので背後に注意しましょう。
タクシー利用時の注意と治安: 料金は事前に要確認
タクシーで移動する際には、必ずタクシー乗り場、電話予約、ホテル、レストランで呼んでもらったタクシーに乗りましょう。
フィレンツェ空港から中心地までの料金は、通常は22ユーロ。 土日祝日は24ユーロ。 深夜料金(22:00–6:00)は25.30ユーロです。
なお、スーツケース1つに対して1ユーロかかります。
料金について心配な場合は乗る前に行き先を告げ、だいたいの料金を聞きましょう。
夜・夜中の時間の観光・出歩き時の注意と治安
深夜、中央市場付近、リベルタ広場、その他の暗い路地には近づかない。知らない人について行かない。貴重品はいつも厳重に持ち歩く。
以上を守れば、基本的に安全です。
早朝の時間の観光・出歩き時の注意と治安
早朝も貴重品の厳重な管理、知らない人に話しかけられても話さない、ついていかないことを守れば基本的に安全です。
フィレンツェの主な犯罪事例と注意対策
スリ・ひったくり・置き引きの注意
スリは特にバス車内で頻繁に発生しています。背後に人が並ぶシーンにも注意しましょう。ひったくりも発生しています。
街中で歩く際は、車道の方にバッグを持たないようにしましょう。
貴重品はどんなことがあっても自分の身から離さない、一瞬でも置かない。友人、家族に荷物を預けていく際は、その人が責任をもって荷物から目を離さないように注意しましょう。
車上荒らし・盗難の対策・注意
車上荒らしの犯罪被害も報告があります。
少しの時間でも、車内に盗まれて困るものは置いていかないように注意しましょう。
ニセ警官に注意
フィレンツェの街中で、警官がパスポートや現金、クレジットカードの提示を求めることは絶対にありません。求められたとしたらそれはまさにニセ警官です。
絶対についていかないようにし、無視しましょう。
ぼったくり(バーなど)の被害と注意
■飲み屋での注意点
当たり前ですが、知らない人に連れて行かれた場所で飲食、知らない人にもらった物は飲食しないようにしましょう。何を入れられているかわかりません。
ほとんどのイタリアのビール屋(飲み屋)は、カウンターで頼むと目の前で注いでくれます。そしてその後すぐ支払います。支払わなくてもいい場合がありますが、酔う前に支払うのが良いと思います。
普通の飲み屋、人々が楽しく飲んでいる場所では、ぼったくりは起こりません。飲食店で話しかけられてもその場で楽しく交流するだけにして、特定の場所についていかないようにしましょう。
■ジェラートぼったくり
ジェラートを購入する際は、必ず値段がはっきり示されている店で購入しましょう。
相場は、一番小さいコーン、カップで1,5ユーロから3ユーロです。
ジェラート専門店ではなく、バールなどでジェラートを売っている店で、30ユーロを超えるジェラートを買わされる観光客の姿を見かけます。
勝手にいくつものフレーバを重ね、トッピングを付けその値段にしているようです。味、値段どちらの点でもジェラート専門店で購入するほうが良いでしょう。
パスポート盗難被害・対応
パスポート盗難にあった場合は、警察署で盗難届を出し、ローマの日本大使館で帰国のための渡航書を発行してもらういましょう。
下記のサイトで必要事項を確認できます。
■在イタリア日本国大使館のページ >> 旅券の手続きについて
犯罪に巻き込まれたときの対応・緊急連絡先
■緊急電話番号
警察 : 113
救急車: 118
消防 : 115
■在イタリア日本大使館・総領事館(ローマ)
住所: Via Quintino Sella, 60 00187 Roma
電話番号: 06.487991
>> 在イタリア日本国大使館 (Ambasciata del Giappone in Italia)
■日本総領事館(ミラノ)
住所: Via Privata C.Mangili, 2/4 20121 Milano
電話番号: 02.6241141
>> 在ミラノ日本国総領事館 (Consolato Generale del Giappone a Milano)
警察署への盗難届の申請方法/場所
盗難届は、以下の警察署に申請しましょう。
しかし、悲しいことですが・・・犯人を捕まえたり、盗難品が返ってくるような捜査をイタリアの警察は一切しないと思っていた方がよいと思います。
ほとんどの警官の対応は、最悪です(みなさんが良い警察官の担当になることを祈ります。)。
■Questura Firenze Ufficio Denunce
住所: Via Zara, 2 (piano terra) 50129 – Firenze
電話番号: 055/49.77.1 – 055/49.77.268
■Comando Compagnia Carabinieri
住所: Borgo Ognissanti, 48 50100 – Firenze
電話番号: 0552066002
※すべて24時間開いています
■警察署で盗難届の申請の順序
まず、警察署の門番に盗難にあったこと、盗難届の申請をしたい旨を伝えます、
門番にどこで待てば良いか言われるのでそこで呼ばれるまで待ちます。呼ばれたら盗難にあったことを担当の警察官に伝えます。
パスポートの提示を求められ、コピーを取られます。
その後、盗難品、事件時刻などを警官がパソコンに入力していきます。その事項を3枚印刷し、その3枚すべてにサインします。その中の一枚を渡され終了です。
■緊急時のためのイタリア語
日本語 | イタリア語 | 読み方 |
助けて! | AIUTO! | アユ―ト! |
財布を盗まれました | Mi hanno rubato il portafoglio. | ミ アンノ ルバート イル ポルタフォッリョ |
盗難届を出したいのですが | Vorrei fare la denuncia. | ヴォッレイ ファーレ ラ デヌンチャ |
泥棒 | ladro | ラードロ |
パスポート | passaporto | パッサポルト |
財布 | portafoglio | ポルタフォッリョ |
鍵 | chiave | キアーベ |
かばん、バッグ | borsa | ボルサ |
リュック | zaino | ザイノ |
皆さんがこのイタリア語を使わなくてよいフィレンツェ滞在になるよう願っています。
フィレンツェで夜に注意したい地域と警察署の地図(Googleマップ)
フィレンツェの気候・天気・ベストシーズン情報
イタリア中部フィレンツェは、池中海性気候の地帯に位置します。しかし多くの丘に取り囲まれた盆地であるため、他のイタリアの街に比べ夏暑く、冬寒く湿度が高いことが特徴です。
湿度が高いといっても日本の大阪、京都ほどではありませんが、冬はじっとりした冷たさを感じます。また近年の異常気象により、2019年の7月には42度を記録しています。
こちらのページでは、フィレンツェ現地在住の筆者が、フィレンツェの年間を通じた天気・気候状況・服装/持ち物について、気温や降水量のデータも含めて解説します。
■フィレンツェの気候・天気・ベストシーズン情報 >> フィレンツェの天気・気候を在住者が解説! 四季ごとの気温や天候、観光ベストシーズンまで