南アフリカ随一の観光地ケープタウン。ケープタウンのことを人々は親愛と尊敬の念を込めて「マザーシティ」と呼んでいます。テーブル・マウンテンはそんなケープタウンの象徴的な存在です。本記事ではテーブル・マウンテンに何度も訪れている現地在住者がテーブル・マウンテンへの詳しい行き方や見どころをご紹介します。
南アフリカの天空の城「テーブル・マウンテン」
ケープタウンと聞いて真っ先にテーブル・マウンテンが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。テーブル・マウンテンはケープタウンの中心地に位置する山のことで、ケープタウンを代表する観光地です。
岩盤でできた海抜1,087mのこの山の頂上はナイフで横に切ったように平らなため、テーブル・マウンテンと呼ばれています。この平らな山頂は3kmほどあります。
テーブル・マウンテンには多くの動植物が生息しており、豊かな生物多様性が形成されています。国際的にもその希少性が認められ、山全体が国立公園に指定されています。
テーブル・マウンテン国立公園(Table Mountain National Park)は北のシグナル・ヒル(Signal Hill)から南のケープポイント(Cape Point)まで延びるテーブル・マウンテン山脈、さらに半島の海岸線や海までの広いエリアをカバーしています。
ケープタウンの気候は変わりやすいため、人々はテーブル・マウンテンにかかる霧や雲で天気を予測していました。(ちなみに、テーブル・マウンテンの頂上にかかる雲はテーブルクロスと呼ばれています。)
頂上まではロープウェイもしくはハイキングで登ることができます。
山頂からはケープタウンの街が一望でき、絶景を楽しむことができる人気スポットです。
テーブル・マウンテンはどうやって生まれたの?
テーブル・マウンテンは、何百万年にもわたって形成された砂岩と花崗岩の層で構成されています。テーブルのように山頂が平坦な理由は、柔らかい地盤部分のみが長い年月をかけて削られたことで作られたとされています。
テーブル・マウンテンの山頂からは天空の城と形容されるのにふさわしい絶景が広がっています。そんなテーブル・マウンテンは、世界で最も古い山の一つと言われており、新・世界の自然七不思議のひとつに数えられています。
テーブル・マウンテンへどうやって行くの?
レンタカーを利用する
テーブル・マウンテンはウォーターフロントやケープタウン市内中心部から車で20分ほどの位置にあります。頂上までの車道はありませんが、悪天候のとき以外はロープウェイで頂上まで上ることができるので観光しやすく、いつも多くの観光客で賑わっています。
テーブル・マウンテンへの行き方は、ロープウェイ乗り場まで車で向かいます。ロープウェイ乗り場には専用の駐車場がないため、観光客はロープウェイ乗り場に続く道路の脇に車を停めます。ピーク時は乗り場までの間に車の長蛇の列ができるので、自分の運転でテーブル・マウンテンに向かう場合は、駐車スペースを探す時間のロスを避けるため、ロープウェイ乗り場よりも手前で車を停め、乗り場まで徒歩で移動するのがおすすめです。
観光バスを利用する
テーブル・マウンテンまで観光バスを利用して行くこともできます。
My CiTiという観光バスを利用する場合は、107番に乗り、テーブル・マウンテン近くのクルーフネックで下車し、そこからMy CiTiのシャトルバス(110番)がケーブルカー乗り場まで走っています。
他にもCity Sightseeingのバスが頻繁に巡回しているのでそれを利用するのもおすすめです。
また、テーブル・マウンテンを観光するベストな時間帯は午前中です。
午後になるにつれて混み合ってきたり、天気が変わる可能性があるからです。
お天気がいい日は最初にテーブル・マウンテンに向かいましょう。
頂上まではどうやって行くの?
ロープウェイを利用する
テーブル・マウンテンの頂上までは、ロープウェイで登ることができるので小さい子どもからお年寄りまで誰でも頂上まで行くことができます。ロープウェイのチケットは乗り場で購入できますし、事前にオンラインで予約することもできます。オンラインで予約をしておくと、チケット購入列に並ぶ必要がありません。ピーク時はロープウェイのチケットを購入するために長蛇の列ができるので、事前にオンラインで予約しておくと時間を有効に使えます。
しかし、ロープウェイは強風や霧がかかっている日は運行を中止してしまうので、当日の天気次第で予約をするのがおすすめです。
ロープウェイは2台あり、ロープウェイ乗り場から頂上までの所要時間は5分ほどです。なんとこのロープウェイは床が365°回転します。そのため、どこに乗ってもケープタウンの街並み、海、山のパノラマビューを楽しむことができます。
ハイキングをして登る
テーブル・マウンテンの山頂まではハイキングすることもできます。体力に自信がある人はハイキングもおすすめです。頂上までは平均で3時間30分ほどかかります。しかし、霧がかかっていたり、強風の日は非常に危険です。過去に死者も出るほどです。ハイキングをする場合は、十分に安全を確認して、単独では登らないようにしましょう。
■ロープウェイ
公式サイト | Table Mountain |
営業時間 | 8:30~19:00頃※時期や天候により変更になります。 公式サイトで運行状況が小刻みに反映されているので必ずチェックしましょう。 |
料金 | ■午前(8:00~13:00) 大人:往復R420(約3,360円)、片道R240(約1,920円) 子ども(4~17歳):往復R210(約1,680円)、片道R130(約1,040円) ■午後(13:00~クローズまで) 大人:往復R360(約2,880円)、片道R240(約1,920円) 子ども(4~17歳):往復R180(約1,440円)、片道R130(約1,040円) |
その他 | ロープウェイのメンテナンス期間中はロープウェイに乗ることができません。 公式サイトで事前に確認しましょう。 |
テーブル・マウンテンの見どころ・おすすめ体験
山頂からの景色
テーブル・マウンテンの見どころといえば、なんといっても山頂からの景色です。
頂上には遊歩道が整備されているので安全に景色を楽しむことができます。
ケープタウン市街をはじめ、テーブル湾、ライオンズ・ヘッド、デビルズ・ピークなどが一望できます。天気がいい日には、反アパルトヘイトの活動家であるネルソン・マンデラが投獄されていた世界遺産のロベン島や、アフリカ大陸最南西端のケープポイントまで望めます。反対側からは壮大な山々と大西洋を眺めることができます。
ぜひ絶景をカメラに収めてください。
レストラン・お土産ショップ
テーブル・マウンテンの頂上にはレストランがあります。頂上は麓よりも気温が下がりますし、天候も変わりやすいので、ここのレストランでホットドリンクを飲んで体を温めたり、雨宿りをするのがおすすめです。
また、頂上にはお土産ショップもあります。お土産ショップにはテーブル・マウンテンならではのお土産が並んでいるので、せっかくテーブル・マウンテンに来たら記念にぜひこちらでお土産を買ってみてください。お土産ショップの目の前にはなんとポストがあります。
お土産ショップでポストカードを買って、ポストに投函するのもいい思い出になりますよ。
おすすめ体験:アブセイリング
テーブル・マウンテンでスリリングな体験がしたい方はアブセイリングがおすすめです。
アブセイリングはロープのみを頼りに標高約1,000mのテーブルマウンテンを垂直に降りていく大興奮アクティビティです。山肌を撫でる風の音、リアルな岩の感触を楽しむことができます。冒険心と勇気を奮い立たせ、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?
豊かな動植物の鑑賞
テーブル・マウンテンには2,200種以上の植物が生息していて、豊かな生態系が形成されています。山にはバブーンと呼ばれるヒヒやステインボックというシカ、ケープマングース、ジャコウネコなどが生息しています。
シルバーツリーと呼ばれる植物や南アフリカの国花のプロテアも見ることができます。
癒しの動物!ケープハイラックス
ケープハイラックスはアフリカに生息する動物で、南アフリカでは「ダッシ―(Dassie)」という愛称で呼ばれています。ケープハイラックスは大きな黒い目とずんぐりむっくりな体型が特徴で、とてもキュートな動物です。運が良ければテーブル・マウンテンの頂上で日光浴している姿を見れるかもしれません。
ケープタウンではテーブル・マウンテンのほか、ケープペンギンが見られることで有名なボウルダーズビーチでもケープハイラックスを見ることができます。
見た目はウサギやネズミに似ていますが、実は分類するとゾウの仲間です。
ケープハイラックスの愛らしい姿は見るととても癒されます。
頂上のお土産ショップではダッシ―のグッズも購入できますよ。
テーブル・マウンテンのベストシーズン
テーブル・マウンテンをはじめ、ケープ半島を訪れるのであれば8〜11月がおすすめです。
雨も少なく、豊かな植生物に恵まれたケープタウンを楽しむことができます。
一方、5〜7月のケープタウンは雨が多く、とても寒いです。
天候不良でテーブル・マウンテンに登れないことがあったり、登れても雲や霧がかかって景色がよく見えないことが多いのでこの時期は避けるのがベターです。
12〜2月は観光客に人気のシーズンですが、そのため観光客が多く混雑していますし、かなり暑くなるので日焼け対策などが必要です。
テーブル・マウンテンに訪れる際の注意点
テーブル・マウンテンの山頂は麓よりも6℃近く気温が低くなり、風も強いです。
夏でも薄手のダウンなどの上着があるといいでしょう。
ハイキングされる方は十分な飲料水も用意しておきましょう。
いかがでしたでしょうか。テーブル・マウンテンはケープタウンを代表するスポットです。ケープタウンを訪れた際はぜひテーブル・マウンテンに上って、絶景を楽しんでください。