アフリカ大陸に「レソト」という国があることをご存知でしょうか。
四方を南アフリカに囲まれた小さな王国がレソトです。そして、レソトと南アフリカを隔てる国境はサニパスと呼ばれ、大パノラマの絶景を楽しむことができます。
また、サニパス一帯に広がるドラケンスバーグ山脈は世界遺産に登録されています。
本記事では南アフリカ在住の筆者が、レソト、サニパスそしてドラケンスバーグ山脈の魅力や観光方法についてご紹介します。
レソトってどんな国?
レソトとは現地の言葉で「ソト族(バソト)の国」という意味です。
南アフリカに囲まれたレソトは、領土のほとんどをドラケンスバーグ山脈が占めています。
世界で最も標高の高い国のひとつ(最低標高地点約1400m)であることから、「天空の王国The Kingdom in the Sky」、「アフリカのスイス」などと形容されます。
面積は約3万㎢ととても小さな国です。
山岳地帯の険しい土地で現地の人々は自然と共存しながら昔ながらの生活様式で暮らしています。
レソトへの行き方
日本からレソトへの直行便はありません。まずは隣国である南アフリカに入り、南アフリカからツアーやレンタカーを利用してレソトを目指すというのが一番行きやすいルートです。
南アフリカの第三の都市ダーバンからはドラケンスバーグ山脈を越えて、サニパスを上り、日帰りで行くことができます。
90日以内の観光の場合は、ビザは不要ですが、必ず南アフリカ、レソト両国の出入国印をもらってください。
サニパスとは?
サニパスとは南アフリカとレソトを隔てる国境の名前です。
サニパスの辺り一面にそびえているのがドラケンスバーグ山脈です。
サニパスにはツアーに参加するか、レンタカーを利用して自分で運転して行くこともできます。
南アフリカからレソトの国境までの約8kmの山道はほぼ舗装されておらず、かなりの悪路なので四輪駆動車のみが走行を許されています。
サニパスツアーの出発地点はダーバンから車で約3時間のところにある、サニパスの麓のアンダーバーグ(Underberg)という町です。
レソトの国境までの道のりには大自然が広がっており、山々が連なった美しい大パノラマは圧巻です。安全な場所に車を停めてぜひ景色を楽しんでください。
サニパスでは標高2876mの頂上を目指して、ジグザグで急勾配の砂利道を上っていきます。冬には道が雪や氷に覆われることも。サニパスのドライブはスリル満点です。
頂上から渓谷を見下ろすと、美しい景色を眺めることができます。
頂上付近は麓に比べて気温が下がります。天候も変わりやすいので薄手の上着などがあると安心です。
レソトでのおすすめ体験・特産品
ソト族の村
レソトに着いたら入国手続きをします。レソトまで足を運ぶ際はパスポートは忘れずに持っていきましょう。
レソトに入ると昔ながらの生活様式で暮らしている現地の人たちの姿を目にします。
民族衣装を着た現地の人々が馬に乗って移動する様子や茅葺屋根の住居、羊やヤギの大群に驚くことでしょう。
ツアーに参加するとソト族の村を訪れて、レソトの国の歴史や現地の生活の様子など貴重な話を聞くことができます。
話を聞いた後は、レソトの伝統的な民族衣装「バソト・ブランケット」を実際に羽織ったり、現地の人が作るパンを頂くこともできます。
最後にレソトの特産品として有名なソト族の伝統的な「バソト・ハット」などのお土産を購入することができます。
アフリカで一番高いパブ Highest Pub in Africa
サニパスの頂上にはアフリカで一番高い場所にあるパブがあります。
その名も「Highest Pub in Africa」
ここでは窯で焼いたピザやレソトのビールを楽しむことができます。
パブの外の崖の上からはサニパスの景色を見下ろすことができます。
自分たちが上ってきた険しい山道に驚くとともに、美しい景色に感動すること間違いなしです。
アフリカで最も高いパブでぜひランチを楽しんでください。
レソトの特産品
レソトにはソト族の人々が身に着けている「バソト・ブランケット」というソト族独自の民族衣装があります。雨や風、寒さを避けるために発展してきたブランケットです。男女によって羽織り方に違いがあるんだとか。素材は羊毛で、カラフルで独特な模様のブランケットはお土産に購入するのもおすすめです。
また、ソト族の伝統的な「バソト・ハット」と呼ばれる帽子が特産品として有名です。
草で編まれた円錐形の帽子はレソトの代表的な特産品です。
レソトの国旗にも描かれています。レソトに訪れた際はお土産にぜひ買ってみてください。
世界遺産「マロティ=ドラケンスバーグ公園」
マロティ・ドラケンスバーグ公園はユネスコの世界遺産に登録されている国立公園です。
ダーバンから車で3時間ほどの距離です。
サニパスやレソトの観光に合わせて訪れることをおすすめします。
南アフリカのウクハランバ・ドラケンスバーグ国立公園とレソトのセアラバセベ国立公園で構成されています。
ドラケンスバーグとは「竜(ドラゴン)の山々」という意味です。
ドラケンスバーグの中心となっているのが、ジャイアント・キャッスル(Giant’s Catsle)です。
深い谷とごつごつした絶壁の山々からなる壮大な景色はとても美しいです。
公園内の洞窟には先住民サン族が描いた35,000点もの壁画が保存されています。
壁画には4000年以上前のサン族の暮らしの模様が描写されており、ハイキングをしながらガイド付きでサン族の壁画洞窟を巡る壁画ツアーもあります。
公園内にはハイキングコースやトレッキング用のトレイルなどが点在しています。
ドラケンスバーグに訪れるなら日照時間が長い12〜2月の南アフリカの夏の時期がおすすめです。豊かな自然に癒されること間違いなしです。
おわりに
いかがでしたか。アフリカ大陸にある小さな王国レソトと絶景のサニパスには素晴らしく美しい景色が広がっています。南アフリカに訪れた際はぜひレソトにも足を運んでみてはいかがでしょうか。