日本は島国なので「外国へ行く=船か飛行機で他の国に移動する」以外の手段がありませんよね。
でもマレーシアはタイやシンガポール、ブルネイ、インドネシアと国境を接しているので、電車や、車、徒歩などの方法で国境超えができるんです。
今回、マレーシアのクランタン州から、タイに国境越えをしてきました。
実際に国境越えの様子や、タイで過ごしたこと、国境越えをする前に準備したことについて詳しく紹介します。
「歩いて国境を渡ることに興味がある!」「日帰り海外旅行ツアーに興味がある」「ちょっとだけタイに行ってみたい」という方はぜひ最後までお読みください。
日帰り海外旅行を計画する参考になると、幸いです。
マレーシアとタイの国境越えは普通?
日本で海外旅行というと、大掛かりなイメージを持ちますが、マレーシア人は日本人に比べて気軽に海外旅行をしているイメージを受けています。
特に、タイの国境沿いに住んでいるマレーシア人は「ちょっと買い物に行ってくる〜」「マッサージしてくる」いう感覚でタイに行くことも珍しくありません。
気軽に日帰り旅行ができるのは、珍しい限りです。
今回私たちが利用したのはクランタン州の、ランタウ パンジャン(Rantau Panjang)です。
実際の国境越えの様子と流れ
クランタン州のランタウ パンジャン(Rantau Panjang)のイミグレーションで国境越えした時の様子をお伝えします。
国境越えの簡単な流れは、次の通りです。
- マレーシアのイミグレーションで出国手続きをする
- 制限エリア内を歩いて通過
- タイの入国手続きをする
マレーシアのイミグレーションはKLIA、KLIA2などの大きなイミグレーションとは違い、小さな建物でカウンターも少ししかありません。
イミグレーションで働いている人たちもリラックスしていて、笑顔で気軽に挨拶してくれました。
パスポートを見せ簡単な手続きを終わらせると、マレーシア出国手続きは完了です。
制限エリア内を歩いて通過します。
マレーシアとタイの間に流れている小川が、国境です。
乾季になると川の水が乾いてしまい、人が歩いても普通に渡れるようなので「これが国境か」と、感慨深くなりました。
マレーシアとタイの国境の表示
橋のちょうど真ん中にあたる場所には、マレーシアとタイの国境を示す表示があります。
タイのイミグレーションの建物へ入り、入国手続きをすると完了です。
人が混んでいない場合は30分くらいで完結してしまうほど、簡単な手続きでした。
タイでマレーシア人に人気の意外なものとは?
マレーシア人に人気の意外なものは、タイのセブンイレブンです。
「え?!あのセブン?」と不思議に思ったのではないでしょうか?
日本の大手コンビニエンスストア、セブンイレブンは、タイでもマレーシアでもどこにでも見かけます。
しかし、マレーシアやタイなどのセブンイレブンは、日本のセブンイレブンに比べると、かなりローカライズされ地元に特化した商品が置かれているのが特徴です(おかげで日本人の私からすると、中に入ってもセブンイレブンらしさを感じません)。
タイのセブンイレブンも商品棚に、タイの商品が置かれたり、食べ物が置かれたりしているのでちょっとした買い物を楽しめます。
そして……タイではマレーシアに比べてお酒が安く、面白そうなパッケージも!
マレーシアではお酒にかかる関税が高いので、ビールやカクテルなどのお酒をタイで買って帰って持ち帰るのもおすすめです(持ち込み制限があります)。
私自身も、タイのお土産を買いに行くのに、セブンイレブンを利用します。
マレーシア人の友達がタイへ行き、タイのセブンイレブンをハシゴする(2、3件のセブンイレブンをひたすら回る)」ことも珍しくありません。
国境を越えて数時間のタイ滞在での体験
イミグレーションを通過するとタイの、スンガイコーロック(ตำบล สุไหงโก-ลก)という街です。
実はタイ南部の一部は、日本外務省が渡航禁止エリアにしている危険区域にあたります。
実際の危険区域は、今回私たちが通過したイミグレーションの少し北側になるので、あまり長距離移動せずにイミグレーション付近でウロウロしながらタイ旅行を楽しみました。
マレーシア人の友人が、日帰り旅行をする際も同様にイミグレーション付近の危険で無いエリアで楽しんでいるようです。
スンガイコーロックで実際に体験したことを紹介します。
- タイのローカルマーケットをウロウロして雰囲気を楽しむ
- セブンイレブンでお土産を買う
- cafeに入ってタイ料理に舌鼓をうつ
タイのローカルマーケットをウロウロして雰囲気を楽しむ
イミグレーションを通過し、駅の方向に歩いて5分も経たないうちにローカルのマーケットが見えてきます。
野菜や果物、タイの調味料、衣服などいろいろな物が売られているので、歩くだけでもローカル感を味わえておすすめです。
地元の人が普通に、買い物をしている活気のある様子を見ているのは楽しくて飽きません。
セブンイレブンでお土産を買う
先ほども紹介したように、タイのセブンイレブンではタイの商品が並べられているので、お土産探しにぴったりです。
特にタイは美容に敏感な国。
ココナッツオイルや、南国風のボディクリーム、顔パック、ボディスクラブ、石鹸などいろいろな種類を見かけました。
小さなサイズのものや、リーズナブルな値段のものも多いので、いくつか買って試したり、バラマキ用のお土産にしたりするのにぴったりです。
カフェに入って、タイ料理に舌鼓を打つ
タイに来たからには、タイ料理を楽しみたいですよね!
私たちが行ったのは「Doi Chaang cafe」。タイのイミグレーションから駅の方向に歩いて5分もかからないところにありました。
可愛らしく、こじんまりとした雰囲気のカフェです。
グリーンや木を上手に取り入れているせいか、リラックスした雰囲気を味わえます。
カフェ周辺が「いかにもタイの田舎!」という、市場の雰囲気なので、Doi Chaang cafeだけ別風景に感じました。
Doi Chaang cafeでは、タイ料理や西洋料理を注文できますが、特におすすめはタイ料理です。
グリーンカレー、トムヤンクンをはじめとするタイ料理がメニューに並んでいますが、私たちが注文したものはどれも美味しく、ボリュームもたっぷりでした。
リーズナブルな値段で、本格的なタイ料理を楽しめます。
■Doi Chaang cafe
所在地: 2XG9+9F6, Su-ngai Kolok, Su-ngai Kolok District, Narathiwat 96120 タイ
Facebookページ: Doi Chaang Cafe Kolok
マレーシアとタイの国境越えの移動手段と所要時間
マレーシア内の移動手段は、車がおすすめです。
特にクランタン州はバスや電車があまり発達していませんので、地元の人も車かバイクで移動しています。
旅行客でレンタカーが無い場合は、grabタクシー(配車アプリ)を使って移動するのがおすすめです。
クランタン州の州都、コタバルからイミグレーションがあるランタウ パンジャン(Rantau Panjang)までは車で1時間弱ですが、車で移動するのがいいでしょう。
タイの国境を通過した後は、タイのイミグレーションから徒歩圏内に移動したため、徒歩で十分でした。
国境越えの方法/体験・注意点
実際にマレーシアとタイを国境越えするとなると、トラブルが起きるのではないかと心配になることもありますよね。
少しでもトラブルを回避するために、国境越えした時の方法や体験について、次のことを紹介します。
- どのような手続き、対応が必要であったか?
- ビザが必要?
- その他の注意点
どのような手続き、対応が必要であったか
マレーシアやタイに入国する際、基本的に面倒な手続きは必要ありません。
タイに入国する際は、入国前に入国カードにパスポート情報や滞在先(日帰りの場合は書く必要なし)、入国目的について記入する必要があります。
入国カードに手書きで記入し、入国手続きの際にパスポートと一緒に渡すだけです。
マレーシアに入国する場合は、入国カードも必要ありませんでした。
コロナの状況によっては、入国の際に必要とする条件が変わることもあります。
今までに要求された条件の一例は、次の通りです。
- 海外旅行保険に加入している証明書を提出する
- 政府指定のアプリをダウンロードし、入国の際に見せる
- ワクチン接種を3回終了した証明書が必要
コロナウイルスの影響・事前の注意
私が、国境越えをした際はマレーシアもタイもコロナの状況が落ち着いていたため、条件はありませんでした。
しかし、状況によっては必要にならないとも限りません。
コロナが完全に騒がれなくなるまでは、事前にチェックすることをおすすめします。
観光・ビジネスなど滞在形式によって、ビザが必要?
マレーシアでは観光目的で入国する際90日、タイでは30日の入国が許可されます。
短期間の滞在予定(日帰りの場合は特に)だと、ビザの申請は必要ありません。
マレーシアとタイの時差に注意
マレーシアとタイの間には、1時間の時差があります。
本当に歩いて移動できる距離なのに、時間が違うのです。
特にイミグレーションが開く時間、閉まる時間をチェックする時は、マレーシア時間とタイ時間が混乱しないようにしましょう。
特に日帰りの場合は、イミグレーションの閉まる時間について注意する必要があります。
マレーシアとタイの時差を考えて、余裕を持っておきましょう。
マレーシアのイミグレーションが19時に閉まる場合、タイ時間の18時です。
例えばタイの18時過ぎにタイのイミグレーションに到着したとすると、マレーシアではもう19時を過ぎていることになります(閉まっている)。
そうなってしまうとマレーシアに入国できずに、次の日まで待たなければなりません。
時差と人が多くて入国手続きが遅れた場合も見越して、十分すぎるほどに時間に余裕を持って行くことをおすすめします。
国境を越えるとタイ語表記が多い!
マレーシアの母語はマレー語、タイはタイ語です。
しかし、マレーシアでは英語や中国語、タミール語を話す人も多いことから、お店でも英語表記をしていることも珍しくありません。
反対にタイでは、ほとんどタイ語で表記されています(タイ語しか通じないことも……)。
コーヒーを注文したいのに、全てがタイ語で「なんて書いているのかわからない」ということもありました。
マレーシアとタイの国境付近の治安状況
マレーシア側の国境付近の治安は比較的安全です。
しかし、タイ側の国境付近は場所や時期によって安全で無い場合があります。
外務省のホームページには、その時の危険状況が載せられていますのでチェックして計画してください。
マレーシアとタイの物価の違い
マレーシアとタイの物価は、極端に言うと、マレーシアもタイの物価も、日本の約3分の1です。
最近は円安が続いていることで、日本でも大問題になっていますよね。
実はマレーシアリンギットも下がっているのです。
日本円とマレーシアリンギットが下がっている関係で、マレーシアとタイの物価が少しずつズレてきているような気がします。
国境を越えると通貨も違う
言うまでもありませんが、マレーシアではマレーシアのお金、リンギットを使い、タイではタイのお金、タイバーツを使います。
1000円 = 約32リンギット = 約252バーツです(2022年11月調べ)
できればタイバーツを使うのがおすすめ?
実は、スンガイコーロック(ตำบล สุไหงโก-ลก)の街では、タイバーツの他にもマレーシアリンギットが使えるんです。
それだけマレーシア人の出入りが多いことが分かります。
しかし、地元の人は「できればタイではタイバーツを使うのをおすすめする」と、口を揃えて答えているのです。
訳を聞くと「マレーシアリンギットで払おうとすると高くなる」のだそう。
私自身は、タイではタイバーツを利用したため本当のところは分かりません。
地元の人の言っている意見が本当だとすれば、スンガイコーロック(ตำบล สุไหงโก-ลก)ではリンギットでも対応してくれるお店もあるけど、できるだけ使わない方がいいのでしょう。
徒歩で国境越え&外国に日帰り旅行という、日本では味わえない体験
マレーシアの、ランタウ パンジャン(Rantau Panjang)の街からは、徒歩で国境越えをして、タイへ行き、しかも日帰りでマレーシアに戻って来られるという経験ができます。
島国の日本では、絶対にできない経験です。
特にマレーシアと、タイの国境沿いに立っている標識を見た時にはなんとも言えない感情になります。
地元の人が、気軽に日帰り旅行をすると言っているのを理解できませんでしたが、実際に体験してみて「これなら気軽に日帰り旅行したいと思うかもしれない」と、感じました。