南アフリカ観光のハイライトのケープタウン。植生豊かでインド洋と大西洋に挟まれたケープ半島には、大自然を感じられるスポットや美しいビーチ、絶景が楽しめるドライブルートなど見どころがたくさんあります。本記事では何度もケープタウンを訪れている南アフリカ在住の筆者がケープタウンのおすすめの観光スポットやベストシーズンだけでなく、観光の注意点やモデルプランまで紹介します。
ケープタウンのおすすめの観光スポット
①喜望峰(Cape of Good Hope)
南アフリカの代表的なスポットである喜望峰。ヴァスコ・ダ・ガマが発見したことでも有名な場所です。喜望峰自然保護区内に喜望峰(Cape of Good Hope)とケープ・ポイント(Cape Point)があります。喜望峰はアフリカ大陸の最南端と思われることが多いですが、
正確にはアフリカ大陸の最南西端に位置しています。
最南端は喜望峰から南東に約280km離れたアガラス岬です。
喜望峰の目の前に広がる壮大な景色に圧倒されること間違いなしです。
喜望峰には「アフリカ大陸の最南西端、喜望峰」と英語で書かれた標識が立っています。
記念撮影に最適なスポットです。
保護区内の道路の終点には駐車場があり、そこにはルック・アウト・ポイントと呼ばれる、灯台が立つ展望台へ上がるケーブルカーの乗り場があります。展望台までは歩いて20分ほどですが、坂道なのでケーブルカーを利用するのがおすすめです。
展望台からはケープポイントとインド洋と大西洋のふたつの海流が渦巻く様子を見られます。
喜望峰自然保護区内にはシマウマやダチョウ、バブーン(ヒヒ)などの野生動物も生息しています。運が良ければ野生のダチョウと出会えるかもしれません。
②テーブル・マウンテン(Table Mountain)
ケープタウンの象徴的な存在であるテーブル・マウンテン。頂上が平らなことからテーブル・マウンテンと呼ばれています。頂上まではロープウェイかハイキングで登ることができます。ロープウェイ乗り場から頂上までの所要時間は約5分。なんとこのロープウェイはゴンドラが365度回転しながら上っていきます。
このロープウェイは悪天候の場合や風が強い日には止まってしまいます。
ホームページでは運行状況が反映されているのでこまめにチェックしておきましょう。
また、ロープウェイは混むことが多いので、事前にオンラインでチケットを予約しておくことをおすすめします。
頂上には遊歩道があり、ケープタウンの絶景を楽しむことができます。
頂上は麓に比べて6℃近く気温が低くなり、風も強いので夏でも上着を持っていくといいでしょう。
③ボルダーズ・ビーチ(Boulders Beach)
サイモンズ・タウン中心部から歩いて20分ほどの距離にある小さなビーチ。
ここには野生のケープ・ペンギンが多く生息しています。遊歩道の上からケープ・ペンギンを間近で観察することができます。
白い砂浜をよちよちと歩くケープ・ペンギンの姿はとても可愛らしく、癒されます。
時期によってはひな鳥を見ることができます。
出口にはお土産ショップもあるので旅の記念にぜひ立ち寄ってみてください。
また、ボルダーズ・ビーチに隣接するフォクシー・ビーチ(Foxy Beach)では季節によってはペンギンが泳ぎにくるので一緒に泳ぐこともできます。
より間近でペンギンが見られるので、訪れた際はフォクシー・ビーチにもぜひ足を運んでみてください。
④ボカープ(Bo-Kaap)
ケープタウン中心部の西側にあるエリアには、鮮やかなピンクや水色などの色の家が立ち並んでいて、美しい街並みは有名な観光スポットになっています。
ここにはかつて奴隷として連れてこられたマレー系の人々の子孫が暮らしています。
カラフルな街並みは奴隷解放時に住民たちが「自由の象徴」として家を色とりどりに塗ったという説が有効です。ボカープ博物館ではマレー系の人々の歴史を学ぶことができます。
歴史を知ってからこの街並みを見るとまた違った印象を感じると思います。
訪れるなら、人が少ない午前中が写真撮影がしやすいのでおすすめです。
専用の駐車場はないので車で行く場合は路上駐車になるので注意です。
⑤V&Aウォーターフロント
ケープタウンの観光の拠点となっているV&Aウォーターフロント。
大きなショッピングモールやレストラン、お土産ショップが充実しています。
ケープタウンのなかでも観光客が多く、警備がしっかりしているので比較的安全な場所です。ウォーターフロント周辺にはホテルも充実しているので、ケープタウン旅行の際はウォーターフロント周辺に宿泊すると安心で便利です。
ウォーターフロント内にあるお土産ショップ「The Watershed」には洗練された南アフリカグッズが売っているのでお土産探しにおすすめです。
⑥チャップマンズ・ピーク・ドライブ(Chapmans Peak Dr)
チャップマンズ・ピーク・ドライブとは標高約600mの岩山を通る全長約10kmのドライブウェイのこと。
背後にセンチネル山とハウト湾、眼下に真っ青な海を望む美しい景色が続き、ドライブするには最高のスポットです。その美しさは世界的にも有名です。
途中に車を停められる景観スポットもたくさんあるので、ぜひ車を停めて景色を楽しんでください。ケープタウン中心部からボルダーズ・ビーチや喜望峰に向かう途中に通れます。
特に夕方のサンセットは美しいです。ぜひレンタカーで巡ってみてください。
⑦ハウト湾&ドイカー島(Hout Bay&Seal Island)
ハウト湾は周囲を高い崖に囲まれた景勝地で、漁港の町として栄えています。
港にはオットセイがいて、記念に一緒に撮影することもできます。
また、オットセイが多く生息するドイカー島(シール・アイランドSeal Islandとも呼ばれる)はケープ半島の有名な観光地のひとつ。
ドイカー島行きの船は、ハウト湾から出航します。所要時間は45分程度で、島に上陸することはできませんが、船の上からオットセイの群れを見ることができます。
⑧コンスタンシアのワイナリー(Constantia)
南アフリカはワインが美味しいことでも有名です。コンスタンシアのワイナリーは南アフリカのワイナリーの中でも歴史が古く、ケープタウン中心部から車で約20分の距離なのでアクセスもよく、人気のワイナリーです。
特におすすめなのは、南アフリカで最初に造られたワイナリーである「グルート・コンスタンシア」。ここではチョコレートのペアリングのテイスティングを楽しむことができます。
「Grand Constantia」というデザートワインはナポレオンが愛飲したともいわれるワインで、フルーティーな味わいがとても美味しいです。
⑨カーステンボッシュ植物園(Kirstenbosch National Botanical Garden)
テーブルマウンテンの南側斜面に広がる本格的な植物園。
約2万2000種類ある南アフリカの植物のうち9000種類がここで栽培、研究されています。
すべての草花、樹木に名札が付けられ、学名、通称、産地などが記されています。
自然豊かな園内は散歩にも最適です。
案内には遊歩道が整備され、レストランや売店もあります。
ベストシーズンは春(8月中旬〜10月中旬)。春には色とりどりの花が咲き誇ります。
⑩ロベン島(Robben Island)
南アフリカの歴史に興味がある方はロベン島がおすすめです。
ウォーターフロントから約14kmの沖合、ボートで30分ほどの所に浮かぶロベン島は、アパルトヘイト時代、おもに政治犯が収容されていた黒人専用の刑務所島で、黒人初の大統領に就任し、アパルトヘイト撤廃に尽力したネルソン・マンデラも約30年間収容されていました。
現在は島自体が博物館としてケープタウンの観光名所となっており、
1999年12月には、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。(文化遺産としては南アフリカ初)
ロベン島へは、ウォーターフロントのロベン島博物館脇の桟橋から専用ボートで行きます。
ツアー形式になっており、所要時間は約3時間半(うち島内でのバスツアーが約1時間、フェリー移動が約2時間30分)
人気があるので早めにチケットを予約するのがおすすめです。ホームページからも予約ができます。
⑪ミューゼンバーグビーチ(Muizenberg Beach)
ケープタウン中心部から車で約25分のミューゼンバーグは、岩場がないのでケープ半島で最も安全なビーチとされています。サーファーにも人気のビーチです。
ミューゼンバーグビーチの白い砂浜にはカラフルなビーチハウスが並んでいて、写真映えするスポットです。(家の中に入ることはできません。)
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
⑫ワインランド(Wine Lands)
ケープタウンから東へ車で30分〜1時間ほどの場所に「ワイン・ランド」と呼ばれる南アフリカのワイン産地の中心地があります。
ここは南アフリカワインの名産地として有名で、数多くのワイナリーが点在しています。
多くのワイナリーでは、酒造や工場の見学ツアーとワインテイスティングを行っており、なかにはレストランやカフェを経営しているところもあります。
筆者のおすすめのワイナリーはステレンボッシュにある「Jordan Wine Estate」。
ジョーダンのワインは上質で希少なワインを楽しむことができます。
特にワイナリーに併設されているレストランの料理が繊細でとても美味しいので、ぜひレストランにも寄ってください。
少し足を伸ばしてワインランドで美味しい南アフリカワインと料理を堪能してみてはいかがでしょうか。
⑬アクイラ私営動物保護区(Aquila Private Game Reserve)
ケープタウンから車で約2時間の場所にある私営保護区のサファリ。
ケープタウンから日帰りでゲーム・ドライブや乗馬を楽しむことができます。
ビッグファイブ(ゾウ、ライオン、サイ、ヒョウ、バッファロー)を見ることができるサファリです。(2023年8月に筆者が訪れた際はヒョウはいませんでした。)
高い木が少ないので動物を観察しやすいサファリです。
保護区内にはリゾート施設があり、レストランやプールも利用ができます。
宿泊施設もあるので宿泊することもできます。ケープタウンからの送迎サービスもあるのでアクセスもしやすいです。
⑭オールド・ビスケット・ミル(The Old Biscuit Mill)
ケープタウン中心部から車で約15分の距離にあるウッドストックエリア。
なかでもかつての製粉所を改築したオールド・ビスケット・ミルはカフェやデザイナーズショップの入った人気の複合施設です。毎週土曜日にはネイバーズ・マーケットが開かれ、
地元で採れた野菜やオーガニックの食品などが並びます。
オールド・ビスケット・ミル内には数々の賞を受賞したシェフが営むレストランもあります。治安があまり良くないので行く際は十分に注意しましょう。
⑮ライオンズヘッド&シグナル・ヒル(Lion’s Head&Signal Hill)
ケープタウンの町の西側にあるふたつの丘は、ライオンが横たわっているように見えることからライオンズ・ヘッドとライオンズ・ランプと呼ばれています。
ランプのほうは平日の正午に号砲を発する大砲があることから、シグナル・ヒルとも呼ばれています。
頂上には展望台があり、港や町の眺めがいいです。
最近は頂上付近の治安が悪化してきたため、少人数や夜間に行くのは避けましょう。
ケープタウンのベストシーズン
南アフリカは南半球にあるので、季節は日本と逆になります。
ケープタウンに行くなら8月中旬から10月がベストです。
ケープ半島に植生している花の多くが咲きだすのが8月中旬頃からなので、美しい花々を見ることができますよ。
また10月〜11月はクジラ観察のベストシーズンです。近くの海でクジラを見ることができるかもしれません。
また、12月も人気のシーズンですが、ホリデーシーズンで国内外問わず観光客が多い時期なので有名な観光地は混み合うことが予想されます。
一方、5〜6月は寒く、風も強く、雨もかなり降るので、服装には十分注意しましょう。
ケープタウン観光時の注意点
治安・安全対策
ケープタウンの犯罪傾向は窃盗、車上狙い等が多いです。市街中心地では、時間帯を問わず複数名での行動を心がけ、人通りの少ない路地には立ち入らないようにしましょう。特に飲食店やナイトクラブが並ぶロングストリート、バスターミナルやタクシーが集中しているケープタウン駅、観光地でもあり現地住民の住宅街のボ・カープエリアとその周辺はひったくり、車上狙いが多発しているので十分注意しましょう。また、タウンシップに加えデルフト、ググレツ、ミッチェルズプレイン地区等の一部のエリアでは、ギャング組織による銃撃や無差別なドライブバイシューティング(走行中の車内からの発砲)の被害も絶えません。不必要な立ち入りは避けてください。
計画停電(Loadshedding)
南アフリカは慢性的に電力が不足しているので、不定期に計画停電が起こります。
南アフリカではこの計画停電を「Loadshedding(ロードシェディング)」と呼んでいます。
ホテルやショッピングモールなどは停電対策を行っているところがほとんどですが、
Airbnbなどはジェネレーターがなく、停電中は電気が使えない可能性があるので注意が必要です。計画停電はエリアによって停電する時間帯が異なります。
タイムリーに計画停電の情報をチェックしておくことが大切です。
気候・服装
喜望峰やテーブルマウンテンの頂上は風が強いので夏でも上着を持っていくと安心です。
サファリも夏でも朝晩はかなり冷え込むので薄手のダウンやカイロなどの防寒対策は必須です。日差しも強いのでサングラスや帽子などの日焼け対策グッズも忘れずに。
5〜6月は雨もかなり降るので雨具なども忘れずに持ってくると安心です。
ケープタウンを巡る!モデルプラン・コース
ケープタウンの主な観光スポットを巡るには少なくとも2日間はほしいところです。
筆者がケープタウンに訪れたときのモデルプランをご紹介します。
- 7:45ウォーターフロント周辺のホテル出発
近くのカフェで朝食をテイクアウト - 8:00~9:00ボカープ観光
- 10:00ハウト湾
オットセイと記念撮影 - 10:00~11:00移動(ハウト湾→ボルダーズ・ビーチ)
チャップマンズピークドライブを走って絶景を楽しむ! - 11:00~12:00ボルダーズ・ビーチで野生のペンギンを観察
- 12:00~13:30昼食@サイモンズタウン
- 14:00~15:00喜望峰・ケープポイント
- 15:00~16:30移動(喜望峰→ケープタウン)
- 18:00夕食@ウォーターフロント
- 8:30ウォーターフロント周辺のホテル出発
- 9:00~11:00テーブルマウンテン
- 12:00~15:00昼食@ワイナリー(Jordan)
ワインテイスティング - 16:00ウォーターフロント観光&お土産探し
- 18:00夕食@オールド・ビスケット・ミル内のレストラン
おわりに
ケープタウンには大自然、絶景スポットなど数々の見どころがあふれています。
ケープタウンを訪れた際は、魅力を存分に味わってくださいね。